生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2013(平成25)年11月28日
 
 

島根県親学プログラム (しまねけんおやがくぷろぐらむ)

キーワード : 親学、家庭教育支援、子育て支援、ファシリテーター、家庭教育手帳
糸賀真也(いとがしんや)
1.親学プログラムとは
  
 
 
 
  【「親学プログラム」とは】
 親学プログラム(以下、同プログラム)とは、社会全体で家庭教育支援の気運が醸成されることを目的に、島根県立東部・西部社会教育研修センター(以下、同センター)が開発した、地域における子育て支援・家庭教育支援に活用できる参加型の学習支援プログラムである。
 島根県では、各地域で社会教育の取組が活発に行われているが、その取組の基盤となる住民の「学び」は、地域の公民館等によって支えられている。同センターは、公民館等主事などからの、「住民が気軽に参加でき、意見交換をしたり、仲間を増やしたりする学習活動を企画したい」「簡単にできる参加型学習のマニュアルがほしい」といった要望に応えるために、地域の様々な課題に対応し、参加型学習の手法を取り入れた「しまね学習支援プログラム」の開発に取り組んできた。平成19(2007)年度から開発に取り掛かったのが、喫緊の課題である家庭教育支援のための学習支援プログラムであった。そして、いくつかの試行版を経て、平成24(2012)年3月に完成したのが同プログラムである。同プログラムは市町村教育委員会、福祉部局、子育て支援センター、公民館、保育所、幼稚園、小中学校に配布されている。
【プログラム内容】
 同プログラムは、家庭教育支援を行う人が、主に乳幼児から中学生をもつ親(保護者)を対象に、親としての役割や子どもとのかかわり方の気づきを促すために活用する学習支援プログラムである。文部科学省が発行した「家庭教育手帳」を参考にして、「親としての心構え」「親子のコミュニケーション」「生活リズム」「しつけとルール」「安全と健康」「遊びと体験」「個性と夢」の7つのテーマを掲げ内容が構成されており、ねらいや目的、参加者の実態に応じて26の学習プログラムから選択して活用できるようになっている。全ての学習プログラムは、「アイスブレイク→ワークショップ→ふり返りと分かち合い→アドバイスタイム」の流れで構成されており、ファシリテーターと参加者が一体となって学習ができるように組み立てられている。
 同プログラムを活用し、親同士が語り合いながら学習することで、気づきによる親自身の学びに加え、交流を図ることによる親同士の関係づくりや地域全体で家庭教育を支援するネットワークづくりにも役立っている。
 
 
 
  参考文献
・島根県教育庁社会教育課「平成25年度社会教育行政の方針と事業」平成25年4月
・島根県立東部・西部社会教育研修センター「しまねの社会教育だよりvol12」平成24年12月
・島根県立東部・西部社会教育研修センター「しまね学習支援プログラム 家庭教育支援を行う人のための親学プログラム」平成24年3月
・島根県立東部社会教育研修センター「しまね学習支援プログラム『親学プログラム』活用の手引き」平成25年4月
・「月刊 生涯学習」第3号、国政情報センター発行、文部科学省編集協力、平成22年2月
 
 
 
 
  



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