生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2006(平成18)年12月14日
 
 

成人の学習行動と学習ニーズ (せいじんのがくしゅうこうどうとがくしゅうにーず)

learning behaviors and wants of adult
キーワード : 学習率、学習ニーズ、学習内容、学習方法、学習成果の評価
浅井経子(あさいきょうこ)
3.学習成果の社会的評価および生涯学習振興方策についての意向
  
 
 
 
   内閣府(平成13(2001)年以前は総理府)が行った「生涯学習に関する世論調査」(平成4(1992)年、平成11(1999)年、平成17(2005)年)の結果から、学習成果の社会的評価および生涯学習振興方策についての、20歳以上の意向をみてみよう。
【学習成果の社会的評価に対する意向】
 学習して身につけた知識や技能などを社会的に評価するのがよいとする比率は、平成4(1999)年67.9%、平成11(1999)年63.3%、平成17(2005)年58.3%となっており、減少傾向にある。若年層の比率の方が高齢層よりも高いことは、いずれの調査でも同じである。
<「学習成果を社会的に評価するのがよい」の比率の推移>
(注)全体および男女別の比率は20歳以上
・・・・平成4、平11年、平17年
全体::67.9%、63.3%、58.3%
男性::69.5%、63.4%、59.1%
女性::66.5%、63.3%、57.5%
20代::81.1%、70.7%、74.7%
30代::75.1%、73.3%、73.8%
40代::70.5%、68.1%、66.1%
50代::63.5%、62.5%、60.1%
60代::63.5%、58.6%、47.8%
70以上:50.5%、49.8%、37.8%
【よいとする社会的評価の方法:学習成果を社会的に評価するのがよいとする人の中での比率】
■社会的評価の方法でよいとする比率が増加しているものは次のものである(比率は平成4(1992)年→平成11(1999)年→平成17(2005)年)。
・学習修了後に修了証、認定証を出す(25.0%→25.6%→30.0%)
・起業や官公庁の職員採用の際に評価(15.8%→14.7%→17.9%)
・一定の水準以上を学校の単位に認定(13.0%→12.5%→16.6%)
・履歴書に学歴以外の「学習歴」の欄を作る(11.8%→14.7%→15.2%)
・学校での成績の評価に含める(7.5%→6.3%→12.5%)
・大学、高校の入学者選抜時に評価(7.1%→7.5%→10.4%)
・学習した経歴や経験を公的機関が認定(平成11年20.9%→平成17年28.1%)
■社会的評価の方法でよいとする比率が減少しているものは次のものである(比率は平成4(1992)年→平成11(1999)年→平成17(2005)年)。
・優れた人を地域の講師として活用(35.0%→32.8%→29.3%)
・特に生涯学習に取り組んだ人を表彰(14.9%→13.5%→12.8%)
■その他(比率は平成4(1992)年→平成11(1999)年→平成17(2005)年)。
・生涯学習の成果発表の機会を増やす(19.6%→21.5%→19.8%)
・企業や官公庁での職員の待遇に反映(14.9%→11.6%→12.8%)
【生涯学習振興方策についての意向:有効サンプル全体に対する比率】
 平成17(2005)年調査によれば、生涯学習振興のために国や地方公共団体が力を入れるべきことの第1位から第3位は次のようになっている。
 第1位は「生涯学習関連施設などにおけるサービスを充実する(講座の充実、開館時間の拡大、情報提供や相談窓口の充実など)」の37.6%で、女性の比率の方が若干高くなっている(男34.2%、女40.3%)。第2位は「ボランティア活動を支援する」の27.6%、第3位は「住民のニーズや満足度を把握し反映」の26.8%で、両者ともに男女差はほとんどない。
 なお、上述した学習成果の社会的評価に関係する「生涯学習を通して身につけた成果を評価する」は12.4%に留まっている。
 
 
 
  参考文献
・内閣府大臣官房政府広報室『生涯学習に関する世論調査』平成17年5月調査。
・内閣総理大臣官房広報室『生涯学習に関する世論調査』平成11年12月調査。
・同上、平成4年2月調査。
・同上、昭和63年9月調査。
 
 
 
 
  



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