生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2007(平成19)年12月18日
 
 

小学校教育と生涯学習 (しょうがっこうきょういくとしょうがいがくしゅう)

キーワード : 教育基本法の改正、生涯学習の理念、小学校学習指導要領、生きる力、学・社・民の融合
真柄正幸(まがらまさゆき)
3.新潟市における実践
  
 
 
 
   ここでは、新潟市及び私の勤務する新潟市立万代長嶺小学校における取組を紹介し、小学校教育と生涯学習との関連を考える。
1)新潟市の取組
 平成19(2007)年4月に政令指定都市となった新潟市では、新潟市教育ビジョン(基本構想・基本計画)の中で重点的な取組として五つの「学びの扉」を掲げ、その筆頭に「学・社・民の融合による教育」が挙げられている。また、平成19年度から3年間の前期実施計画では、「学・社・民の融合」の考え方を根幹に据えて策定している。「学・社・民の融合」を「学校教育と社会教育、地域住民や地域課題に取り組む団体など民間とが一体となって教育活動を進めること」と捉えており、生涯学習の考え方が大きく反映されている。具体的な施策として、「地域と学校パートナーシップ事業」、「ふれあいスクール事業」、「セーフティスタッフ事業」等で、学校と社会教育施設、地域住民、関係機関等との連携を強力に推進している。
 平成19年度には、市立の全学校・園長を対象に教育ビジョンの説明を行うとともに、新任校長・教頭を対象に「学・社・民の融合」をテーマにした研修会を実施して、各学校における実践を奨励している。
2)新潟市立万代長嶺小学校における取組
 ア.生涯学習についての研修
 学校に勤務して感じることは、「生涯学習」が教職員に十分理解されていないことである。そこで、校内研修で自らが講師となり「教育基本法改正の内容」、「生涯学習の理念」、「小学校教育と生涯学習の関係」について理解を深める機会を設けている。
 イ.学校と地域を結ぶ教育コーディネーターの配置
 学校では、総合的な学習の時間や学校行事などで学校支援ボランティアを積極的に受け入れている。今年度、地域とのつながりをより強めるために、地域事情に詳しくPTA役員の経験者でもある方から新たに「学校と地域を結ぶ教育コーディネーター」をお願いした。教育活動における地域の情報、地域指導者の依頼や発掘、学校情報の発信等、活動の幅を広げる中で、学校、家庭、地域との連携を一層深めていく予定である。
 ウ.学校で公民館主催の家庭教育学級を開設
 公民館からの依頼で、午前の授業時間帯に「児童期の家庭教育学級」を開設した。受講された方から、児童の授業の様子を実際に見たり、休憩時間にふれあったりして、学習内容が深まったと大変好評であった。学校としても、児童の様子や学校の教育活動を理解していただくよい機会となったと考えている。
 エ.その他
 地域の特色を生かした教育活動を展開するために、国の重要文化財である「萬代橋」を中核に据えた総合的な学習の時間の年間指導計画を全面的に見直している。また、地域コミュニティと連携した児童の安心・安全に関する取組を行っている。
 
 
 
  参考文献
・「新潟市教育ビジョン」平成18(2006)年3月
 
 
 
 
  



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