生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2006(平成18)年1月27日
 
 

デジタル・アーカイブと生涯学習 (でじたる・あーかいぶとしょうがいがくしゅう)

digital archive and lifeLong learning
キーワード : デジタル・アーカイブ
久世均(くぜひとし)
3.デジタル・アーキビストの養成
  
 
 
 
  【定義】
 多様なメディアを、デジタル・アーカイブする方法に関する基本的な知識及び著作権や個人情報の保護に関する知識を持ち、責任を持ってデジタル・アーカイブできる能力を持った人材の養成
【説明】
 今日、社会的諸条件の急激な変化、すなわち国際化、少子・高齢化、情報化等に伴って、多くの学習課題が次々に発生し、社会教育はそれに的確に対処することが求められるようになってきた。従って、社会教育主事はこのような時代の進展に即応できる豊かな教養と高い識見を備えた人材であることが求められ、その中でも特に高度情報社会の進展にともない、それに対処できる能力を持った社会教育主事の育成が要請されている。
  「社会教育主事」の職務は社会教育法第9条第3項に、「社会教育主事は、社会教育を行う者に専門的技術的な助言と指導を与える。但し、命令及び監督をしてはならない。」と規定している。この社会教育主事に対しては臨時教育審議会の第二次答申において、「社会教育を振興するためには、場の確保とともに、社会教育主事,司書,学芸員等の社会教育指導者に優秀な人材を確保することが重要」であり、「社会教育指導者の資質の向上を図るため、大学等における社会教育主事などの養成に係る教育内容を、社会の高度化、多様化、情報化などの変化に対応して総合的な観点から見直す」ことが提言された。社会教育は国民の生活のあらゆる機会と場所において行われる各種の学習を教育的に高める活動の総称であり、できるだけ多くの人の教育的要求を満足させる必要があるとされている。
 そのためにも、社会教育主事として、新しい教育内容・方法を構成するための教育用コンテンツの開発、資料提供、通信ネットワークを用いた遠隔教育の学習支援の能力が必要とされる。さらに、資料のデジタル化と管理・流通が多くなされるようになり、知的財産権や情報モラルの適切な判断が可能な人材の育成も急務である。このデジタル・アーキビスト能力はまさに新しい生涯学習社会を担う社会教育主事には必要な資質ということができる。
 
 
 
  参考文献
井内慶次郎監修山本恒夫・浅井経子・伊藤康志編著 『生涯学習[eソサエティ]ハンドブック』、文憲堂、平成16年
岐阜女子大学(デジタルアーキビストの養成):http://dac.gijodai.ac.jp/gp-da/
 
 
 
 
  



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