登録/更新年月日:2006(平成18)年1月27日 |
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【定義】 淡海生涯カレッジとは、大学と地域の教育機関(公民館、高校、生涯学習センター等)の密接な連携により、市民に高度で体系的な学習の機会を提供する学習プログラムである。 【背景】 近年の市民の学習ニーズの多様化・高度化は、それに対応する体系的な学習機会の開発を緊急の課題として浮上させた。 こうした動向の中で、平成6年度より3年間にわたって、文部省(現文部科学省)が都道府県に委嘱して行った「地域における生涯大学システムに関する研究開発」は、地域における多様で体系的な学習機会の広域的、継続的な提供及び学習成果を生かした社会参加の支援のための総合的なシステムの構築を目的としたものであった。 滋賀県は、平成7年度にこの研究開発の委嘱を受け、滋賀大学生涯学習教育研究センターと共同で「淡海生涯カレッジ」の開発に着手した。そして1年の開発期間を経て、平成8年度に、「淡海生涯カレッジ琵琶湖学習コース」が滋賀県大津市に開設されたのである。 学習機会の体系化・総合化を図る方法としては、都道府県が「県民大学」等を整備し、それらを核として学習機会の体系化・総合化を進める「県ネットワーク拡張型」と、まず広域市町村圏での体系化・総合化を各地で進め、それらを順次結んでいく「広域ネットワーク接合型」のアプローチがある。このカレッジの取り組みは、後者に近いものであり、まず地域を限定して体系的な学習システムを構築した後、徐々にそのシステムの広域化を図ろうというものである。 カレッジは、平成9年度以降、県内各地で開校されるようになった。平成17年度現在、県下には4校のカレッジ(大津校、彦根校、長浜校、草津校)があり、市民に「環境問題」を中心とした体系的な学習機会を提供している。 【プログラム】 淡海生涯カレッジ(大津・草津校)のシステムは次のようなものである。 学習者はまず、公民館等で「問題発見講座」を受講する。この講座は、身近な環境問題を学ぶ中で、学習者一人ひとりが環境についての問題意識を高めることを目的としている。続いて、高校や生涯学習センターでの「実験・実習講座」を受講する。この講座では、琵琶湖上で水質調査を行う等、実験や実習を中心とした学習が行われる。そして最後に、大学で「理論学習講座」を受講するのである。ここでは、大学教員による講義と学習者によるグループ研究が行われる。 学習者は、これら3つの講座を通じて環境についての学習を深めていくことになる。環境学習は、知識を得るだけの学習では意味がない。同様に、経験のみに頼りきった学習だけでも偏ったものになってしまう。環境に対する「意識」、環境に関わる「経験」、そして環境についての「知識」、これらがバランスよく学ばれることの中に、環境学習の深まりがある、といえよう。 br> |
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参考文献 ・地域における生涯大学システムに関する研究開発会議「地域における生涯大学システムに関する研究開発(第1次まとめ)−体系的・総合的な学習を可能にする学習機会提供の在り方について−」1995年。 ・神部純一「成人の体系的学習支援システムに関する研究−淡海生涯カレッジの開発とその成果−」日本生涯教育学会編『生涯学習の施策と環境の総点検』(日本生涯教育学会年報第18号)1997年、137-155頁。 |
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