登録/更新年月日:2006(平成18)年1月27日 |
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【淡海生涯カレッジの特色】 淡海生涯カレッジの特徴は、大きく次の4点にまとめられる。すわなち、(1)学習機関の連携、(2)学習内容・方法の多様化・体系化、(3)学習評価の多様化、そして(4)学習と成果の活用とのリンク、である。以下では、この4つの特徴について述べてみたい。 (1)地域の教育機関間の連携 滋賀県では、これまでも琵琶湖の水環境を中心に、行政が企画する講座、公民館の講座、高校の開放講座、大学の公開講座等、学校教育、社会教育を問わず、様々な環境講座が開設されてきた。そして、それぞれの機関が、環境講座に関する独自のノウハウを蓄積してきたのである。 ところが、講座の数はあっても、各機関がそれぞれのやり方で、同じような内容の講座を自己完結的に開設しているだけで、機関同士の連携・協力の体制づくりはほとんどなされてこなかったのである。これでは学習者も、その場その場の参加だけで、学習を深めていくことはできない。そこで、カレッジの開発にあたっては、大学と地域の教育機関との連携によるシステムづくりがなされた。 (2)学習内容・方法の多様化・体系化 カレッジには、「問題発見講座」、「実験・実習講座」、「理論学習講座」という3つの講座がある。学習内容や学習方法に関して、カレッジの特徴として挙げられるのは、一つ一つの機関がそれぞれの特色を出した講座を開設している一方で、その学習は決して各機関だけで完結しているのではないということである。つまり、カレッジは、各機関が全体の中でそれぞれの役割を分担し、学習者が各機関での学習を継続していくことで、最終的に一つのまとまりのある経験と知識が身につけられるよう構造化されているのである。 (3)学習評価の多様化−「科目等履修生」制度とのリンク− カレッジは、独自の修了証とともに、「問題発見講座」、「実験・実習講座」と大学の「科目等履修生制度」とをリンクさせることにより、大学の正規の単位(2単位)の取得を可能にした。 (4)学習と成果の活用とのリンク 環境学習は、単に環境問題に関する知識を身につけるだけではなく、それが実際に地域の環境問題解決に向けての活動と結びついて、初めて意味のあるものとなる。そこで、カレッジは、県民に環境学習の機会を提供するだけではなく、カレッジでの学習とその成果の活用とがスムーズに結びついていくようシステム化されている。 【淡海生涯カレッジの運営】 カレッジの運営は、カレッジ全体に関わる問題の検討や連絡・調整を行う「淡海生涯カレッジ専門委員会」と、具体的にプログラムを企画・実施するために各校に設置されている「実行委員会」によってなされている。この2つの委員会のうち特に重視されているのが「実行委員会」である。淡海生涯カレッジである限り、カレッジとしての共通の理念(大学の関与、プログラムの体系性、学習成果の活用への配慮等)を理解した運営を行うことは当然だが、その理念を理解した上で、各「実行委員会」が地域性を生かした特色あるカレッジづくりをしているところにカレッジ運営の特徴がある。 br> |
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参考文献 ・白石克己・佐藤晴雄・田中雅文編『学校と地域でつくる学びの未来』ぎょうせい、2001年。 ・神部純一「成人の体系的学習支援システムに関する研究−淡海生涯カレッジの開発とその成果−」日本生涯教育学会編『生涯学習の施策と環境の総点検』(日本生涯教育学会年報第18号)1997年、137-155頁。 |
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