生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2006(平成18)年10月27日
 
 

八潮市のまちづくり出前講座 (やしおしのまちづくりでまえこうざ)

キーワード : 出前講座、八潮市
松澤利行(まつざわとしゆき)
1.出前講座の内容
  
 
 
 
   平成6(1994)年4月、八潮市では全国に先駆けて「生涯学習まちづくり出前講座」をスタートさせた。行政の全部局がその職務の内容・課題等についてメニューを提示し、市民にメニューから選んでいただき、市職員が講師となって指定された場所に出向いていくもので、商人の精神を生かした制度である。
 利用できるのは、市内に在住、在勤、在学している5人以上の方で構成された団体・グループ等であれば、平日・休日を問わず、午前9時から午後9時までの間の2時間以内で派遣することになっている。
 スタートした平成6(1994)年度は市の職員が出向く「行政編」のみだったが、市民の要望をふまえ、平成9(1997)年度からは「市民編」「民間企業編」「公共機関公益企業編」「教職員編」の4部門を追加して5部門に、平成11(1999)年度からは「サークル編」「行政編ダイジェストメニュー」の2部門を加えて7部門に、そして、平成12(2000)年度からは、子どもにもまちづくりに積極的に関わる機会をつくるとともに、子どもから大人への、また、子ども同士の学び合いなどさまざまな学びの広がりを期待して「子ども編」を実施して合計8部門となった。申し込みの際必要な人数も、市民要望をふまえて平成11(1999)年度からは、当初の10人以上から5人以上のグループであれば申し込みができるようにした。
 メニューは、年度ごとにリニューアルされるが、平成18(2006)年4月現在で253のメニューがある。
 実績としては、平成17(2005)年度1年間で、237件の申込みと12,575人の受講者数となっている。
 内訳を見ると、行政編では「交通安全教室」「図書館おはなし会」「防災知識講座」などで173件、9,880人、市民編では「楽しい絵手紙」など31件、973人、サークル編では「食育」など4件、276人、子ども編では「バルーンアート」など4件、240人、公共機関公益企業編では「食中毒」など3件、250人、民間企業編では「おもしろ消しゴムのできるまで」など22件、956人となっている。「教職員編」と「行政編ダイジェストメニュー」については、この年度は申し込みがなかった。
 団体別の申込件数では、学校からの申込みが多く、学校行事や授業に利用されるケースも増えており、平成17(2005)年度では86件の申し込みがあった。このことから、出前講座が行政と市民、市民同士という学びから学校教育の現場へも広がりを見せていることがうかがえる。 
 平日の夜間や土日など時間外対応件数は、平成17(2005)年度では49件で全体の22.79%を占めている。これは、申し込む団体が多様化している状況から、市民の学習意欲が向上し、休日や仕事を終えてから講座を受講しようとする意向が高いものと考えられる。
 
 
 
  参考文献
 
 
 
 
  



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