登録/更新年月日:2008(平成20)年12月31日 |
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【平成10(1998)年】 ・第16期中教審答申「新しい時代を拓く心を育てるために−次世代を育てる心を失う危機−」「幼児期からの心の教育の在り方について」 「遊びが少なく、勉強させられた子どもたちは疲れ、意欲を失うこともある」として、遊びの重要性を再認識することを求めている。また、異年齢集団の中で、子どもの豊かな体験をさせるため、自由に遊べる場を提供することをうたっている。 【各種答申・政策の変化】 臨教審以降の答申を、平成8(1996)年の第15期中教審答申と、平成11(1999)年の生涯学習審議会答申の2つを区切りとしてみる。 平成始めから平成8(1996)年までの各答申におけるキーワードは、「ゆとり」「生きる力」「心の教育」である。その主張は以下の通りである。子どもたちは、いわゆる知識偏重の考えが蔓延している学校や学習塾などを中心とした生活の中で、その生活に「ゆとり」がなくなってきてしまった。そのため、「豊かな人間性、正義感や公正を重んじる心、自らを律しつつ、他人と協調し、他人を思いやる心、人権を尊重する心、自然を愛する心」などが育まれていない。つまり「生きる力」が身に付いていない。「生きる力」とは、「いかに社会が変化しようと、自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力。自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心など、豊かな人間性」である。社会変化が激しい今日においては、特に必要な資質である。今後は、この「生きる力」を育むために、生活に「ゆとり」を持たせることが考えられなければならない。その一方策として、学校週五日制がクローズアップされ、その受け皿として「子どもの学校外活動」の在り方が問われてきた。 平成8(1996)年の第15期中教審答申以前は、学校外活動の必要性や学校外活動のための充実方策として、特にその条件整備に焦点が当てられていた。それは、地域の青少年団体やスポーツ活動の振興、学校・社会教育・各種施設の活性化、公園・広場等の確保等であった。 しかし、平成8年(1996)の第15期中教審答申においては、「地域における教育の充実方策」として「遊び場の確保」が第一にあげられ、「遊び」が重要視されている。この頃から、「学校外活動」としての条件整備を前面に出した提言から、遊びの重要性に基づく様々な体験・経験の場を用意することをうたった提言になってきた。 平成11(1999)年に入り、第4期生涯学習審議会答申「生活体験・自然体験が日本の子どもの心をはぐくむ」では、「地域の体験を通して試行錯誤していくプロセスが、子どもを育てる」ことなどがあげられている。具体的な取組みとしては、「政府全体や民間企業と連携して子どもたちの機会を増やすこと」「地域の子どもたちの遊び場を増やす」ことなどが提言されている。「学校外活動」という言葉は見当たらなくなり、「学校外における活動」という言葉になったが、生涯学習社会を踏まえ、社会全体で子どもの視点から考えようとする姿勢や「遊び」の視点が答申や政策の中に入ってきたことは、時代の変化を表しているといえる。 br> |
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参考文献 ・各種審議会等答申 |
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