登録/更新年月日:2006(平成18)年1月27日 |
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平成8(1996)年7月の中央教育審議会第一次答申「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について」で、これからの学校の目指す教育の一つに「生涯学習社会を見据えつつ、学校ですべての教育を完結するという考え方を採らずに、自ら学び、自ら考える力などの「生きる力」という生涯学習の基礎的な資質の育成を重視する。」を挙げている。 ここでは、「生きる力」は生涯学習の基礎的な資質のことであり、生涯学習社会の実現に向けて「生きる力」の育成が重要であることが示されている。 平成14(2002)年4月(高等学校は平成15(2003)年4月)から全面実施されている学習指導要領は、子どもたちに「生きる力」を育成することを基本的なねらいとしている。また、「生きる力」の育成を目指し、各学校が創意工夫を生かして、これまでの教科の枠を超えた学習ができる時間として、「総合的な学習の時間」が新たに設けられた。 総合的な学習の時間は、「生きる力」の育成を目指して新設された時間であり、生涯学習の基礎的な資質を育成する時間なのである。 総合的な学習の時間では、各学校において、地域や学校、児童生徒の実態等に応じて、横断的・総合的な学習や児童の興味・関心等に基づく学習など創意工夫を生かした教育活動を行うことを求めている。ねらいとしては、「自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育てること」、「学び方やものの考え方を身に付け、問題の解決や探求活動に主体的、創造的に取り組む態度を育て、自己の生き方を考えることができるようにする」、「各教科、道徳及び特別活動で身に付けた知識や技術等を相互に関連付け、学習や生活において生かし、それらが総合的に働くようにする」の三つを挙げている。 この総合的な学習の時間のねらいである「自ら学び、自ら考える力の育成」、「学び方や調べ方を身に付ける」などは、「各人が自発的意思に基づいて行うことを基本とする」、「自己に適した手段・方法は、これを自ら選んで、生涯を通じて行う」(昭和56年の中央審議会答申)という生涯学習と大きく関連しており、総合的な学習の時間が生涯学習の基礎的な資質を育成する時間であることが理解できる。 さらに、総合的な学習の時間の学習活動の展開に当たっての配慮事項として、「児童生徒の学習状況に応じた教師の適切な指導」、「体験的な学習、問題解決的な学習の重視」、「学習形態、指導体制の工夫」、「学校図書館の活用や他の学校、社会教育施設、各種団体等の連携、地域の教材や学習環境の積極的な活用」、「国際理解に関する学習の一環としての外国語会話等の取り扱い」の五点を示している。 これらの事柄は、学習活動の内容や学習手法、施設、人材などで社会教育との関連を強く示しており、学校教育と社会教育を含んだ概念である生涯学習の考え方が大きく反映している。 このように、総合的な学習の時間は生涯学習と密接な関係をもつ時間と言えるのである。 br> |
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参考文献 |
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