生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2006(平成18)年1月27日
 
 

資格ナビゲーター (しかくなびげーたー)

"Shikaku" navigator
キーワード : インターネット、学習情報提供、学習相談、自己主導的学習、キャリア支援
白石義孝(しらいしよしたか)
3.資格ナビゲーターに期待される機能と課題
  
 
 
 
  【期待される機能】
 資格ナビゲーターはインターネット上で提供されるサービスなので、個人的な学習活動、とりわけ個人が自発的に目的意識を持って取り組む「自己主導的学習」"self-directed learning"に有効な学習ツールであると考えられる。必要な学習情報の項目の一例は前項に列挙したが、これに加えて、学習者同士の情報交換に寄与するネットワーク機能が必要であろう。
 また、情報提供サービスに加えて、「さわやかちば県民プラザ」のようなオンライン学習サービスを提供することにより、一連の学習活動をすべてオンラインで行うことも可能となる。
【今後の課題】
 インターネットにおける情報提供の要諦は「情報の鮮度」であるといっても過言ではない。すなわち、情報の更新を行い続けることによって、最新の状態を維持しておかなければならないのである。しかし、現実には、増え続ける情報に対して、データベースへの新規登録や更新作業が追いつかない場合がほとんどであり、資格ナビゲーターの限界を露呈してしまうことにもなりかねない。情報ボランティア等のマンパワーの活用が鍵となるであろう。
 インターネット上で学習者同士の情報交換に寄与するツールとしては、BBS(電子掲示板)、チャット、メーリングリスト、ブログなどがある。しかし、いずれのツールも利用者の情報リテラシーのレベルの差異によって、誤解や誹謗・中傷などのコミュニケーション・ギャップを招いたり、個人情報の流出やウィルス感染などのリスクを伴う。
 インターネット上のコミュニケーションを円滑に進めるためには、オンライン・コミュニティの特性をよく理解した、いわば「オンライン・ファシリテーター」のスキルを持った人材が不可欠であると思われる。
 また、資格に関する学習相談の実施にあたっては、生涯学習相談の範疇を超えることも予想されるので、就職に関することは「キャリア・アドバイザー」、資格商法に関することは「消費生活相談員」などというように専門性を持った人材との相談ネットワークをオンライン上に構築することも可能であると思われる。
 
 
 
  参考文献
・「さわやかちば県民プラザ」:http://www.clis.ne.jp 平成17(2005)年10月31日参照
・熊谷愼之輔「放送大学にみる遠隔学習者の特性−自己主導的学習の観点から−」『日本生涯教育学会年報』第26号、平成17(2005)年
 
 
 
 
  



『生涯学習研究e事典』の使用にあたっては、必ず使用許諾条件をご参照ください。
<トップページへ戻る
 
       
Copyright(c)2005,日本生涯教育学会.Allrights reserved.