生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2006(平成18)年11月2日
 
 

職業能力の向上とeラーニング (しょくぎょうのうりょくのこうじょうといーらーにんぐ)

キーワード : eラーニング、職業能力向上、草の根eラーニング、フリーター、若者自立・挑戦プラン
桜庭望(さくらばのぞむ)
1.eラーニングの動向と職業能力向上の課題
  
 
 
 
   職業能力の向上にeラーニングが利用される場合は、
1)教育機関における学習活動
2)企業内における研修
3)個人の資質・能力向上
に大別される。
1)の教育機関においては、eラーニングによって単位取得可能な大学が増えており、八洲学園大学ではeラーニングによって全ての単位を取得できる。eラーニングにより、語学等の基礎学力の充実や専門的な技術を身につける目的の他、自分に適した仕事に就くための職業意識の向上や就職した際に必要となるビジネスマナーやビジネススキルの学習が行われている。
2)の企業内においては、知識習得、スキル習得のための集合研修を旅費等のコスト面からのメリットが期待できるeラーニングへの移行が進んでいる。マーケティング、経営戦略、人的資源管理などのマネジメント研修、内定者向けのビジネススキルやマナー、それぞれの業種の知識・技術に関する研修にeラーニングが取り入れられている。
3)の個人の資質・能力の向上では、TOEIC等の試験対策用の語学学習、IT関連をはじめとする様々な資格講座などのサービスが提供されている。
 教育機関、企業では組織的に職業能力の向上が行われるが、近年、学校を終えてから職業に就かない若者や、離職してから再就職をしない若者が増えていることが問題となっている。「平成17年度版労働経済白書」では、全国で仕事もせず職業訓練も受けていない15〜34歳の若年無業者が64万人、フリーターが213万人と推計された。昨今の厳しい経済状況により、十分な雇用機会が与えられていないことから、やむをえず非労働力化している現状がある一方で、自ら求職活動を行わず、就職することに対しては切迫していない若者も少なくない。
 こうした状況をふまえ、学校においては、職業体験やインターンシップ等の活動を含めたキャリア教育の重要性が指摘され、社会に出る前にキャリア形成教育を行うための「キャリアデザインセンター」が多くの大学で誕生している。また、平成15年に国が策定した「若者自立・挑戦プラン」の中核的施策に位置付けられた「ジョブカフェ」は、地域の実情に合った若者の能力向上と就職促進を図るため、若年者が雇用関連サービスを1ヵ所でまとめて受けられるようにしたワンストップサービスセンターである。
 
 
 
  参考文献
・「八洲学園大学」:http://study.jp/univ/yashima/ 平成18(2006)年10月31日参照
・「ジョブカフェサポートセンター」:http://www.jobcafe-sc.jp/ 平成18(2006)年10月31日参照
 
 
 
 
  



『生涯学習研究e事典』の使用にあたっては、必ず使用許諾条件をご参照ください。
<トップページへ戻る
 
       
Copyright(c)2005,日本生涯教育学会.Allrights reserved.