登録/更新年月日:2007(平成19)年11月23日 |
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1)子ども劇場 昭和41(1966)年以降に全国的に展開された活動で、「おやこ劇場」等の名称を用いている団体もある。当初の主な目的は、地域における生の文化芸術体験や野外での遊び体験を通して、子どもと大人がともに育ち合うことのできる場を作ることであったが、全国各地に広がっていく中で例会と呼ばれる舞台鑑賞の機会を設けることを中心にする団体も増加していった。現在では、地域の中で子どもと大人が参加できる様々な場作りに取り組む団体も多くなっているが、会員制度や名称も一律ではなくなっている。 子ども劇場が発足した昭和41(1966)年は、中央教育審議会答申「後期中等教育の拡充整備について」が出され、その別記文書として「期待される人間像」が示された年でもある。人間性の向上と人間能力の開発、日本人としての自覚を持った上で世界に開かれた日本人になること、法の秩序を守り他者と協力するという社会的知性を持つこと、この3点が重要課題とされた。子ども劇場の「地域における生の文化芸術体験や野外での遊び体験を通して、子どもと大人がともに育ち合うことのできる場を作る」という目的は、これらの課題と通じる部分がある。現在では、生の舞台の鑑賞会やワークショップ、お芝居作り、演奏会など自ら表現する活動、あるいは、キャンプやお祭りなどの行事を企画・実施し、子どもたちの様々な生の体験の場を創り出す活動といった鑑賞会活動と野外体験活動の2つが、活動内容の大きな柱となっている。 2)NPO佐倉こどもステーション(以下SKS) 数多くある子ども劇場の中から、ここではSKSを取り上げ、そこで活動する高校生について論を進める。SKSは昭和59(1984)年に千葉県佐倉市に「佐倉おやこ劇場」として誕生した。千葉県おやこ劇場のメンバーが、メンバーの地元である佐倉にも作りたいという思いを抱き、呼び掛けたことからスタートした。その後、平成13(2001)年に法人格を取得し、現在のSKSとなった。子どもに関わる諸団体、行政及び様々な人たちと共に、佐倉市内及びその近郊の子どもたちに対し、自主的、創造的、文化的な体験活動の場を提供している。その中で、子どもたち一人一人がしっかりとした自己肯定感を持ち、自分の生き方を自分自身で判断し選択できるようにすること、社会の中で主体的に生きる人になることを支援し、そのための機会や環境を子どもと共に創ることを目的に活動を展開している。 そこで活動する高校生自身は、自らの取り組みを当たり前の活動として認識しており、自然体で取り組んでいる。しかし、その活動実態をみると、他から強制されることなく自分自身の思いで活動していること、営利を目的としていないこと、楽しみながら自分自身や所属団体、地域社会全体のために取り組んでいること、主導権を握ってそれまでにない様々な試みをしていること等が特徴としてあり、これらのことを勘案するとボランティアの基本理念に重なる部分が大きい。 br> |
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参考文献 林幸克『高校生のボランティア学習−学校と地域社会における支援のあり方−』学事出版、2007年 林幸克「高等学校におけるボランティア学習への取り組みに関する一考察」学校教育研究No.22、2007年 林幸克「青少年のボランティア学習を支えるライフイベント」ボランティア学習研究第8号、2007年 |
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