登録/更新年月日:2006(平成18)年8月18日 |
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大学公開講座は、行政施策の側面からは大学のもつ人的な教授機能や物理的な施設、設備を「地域の教育資源」ととらえそれを地域社会の人々の「学習機会の創出・拡大」につなげようと意図したものと解釈できる。 一方、公開講座の実施主体である大学にとっては、大学それ自体の広報手段であり、また自らの自主性、独自性を主張する機会であるという側面をもっている。これは、特に理科・自然科学の分野ではっきり分かることであるが、「学術の本質の紹介」「大学そのもののPR」ということである。 この二つの側面が現実として相互に矛盾している訳ではないが、逆に相互に深く関連し補完し合っているとも言い難い。受講者からのアンケートを取り、次回の開催のテーマの参考とするとか、地域自治体からの後援を申請したり共催の体裁をとる、などといった手法は大学公開講座の実施にあたっては、前提としての常識である。 他方、個人のキャリアアップの観点から資格取得の手段・方法を大学公開講座に求める、ということも大きな課題である。 大学公開講座を就労の一助としたい、といった希望・要望は「人生80年時代」「学習社会の実現」といった生涯学習の推進を唱える様々な立場や見解から当初より肯定、提唱されて久しいが、同時に、主催者が単に受講修了書を交付するといった程度の次元に留まっており、制度的には全く具体化されていない課題でもあった。 この点について、平成18(2006)年5月8日にY新聞朝刊紙が『大学公開講座に「履修証明」』なる見出しで一面トップで報じた記事がある。 内容として、政府が社会人の再就職や転職によるキャリアアップの後押しのため、大学で金融やIT(情報技術)などの講座を学んだ成果を公的に示す「履修証明」制度を創設すること、と報じられている。 具体的には内閣官房長官を議長とする「再チャレンジ推進会議」が同年5月30日に示した「再チャレンジ可能な仕組みの構築(中間とりまとめ)」の中に盛り込まれており、東京都千代田区に所在するM大学の「M大学リバティ・アカデミー」などを大学公開講座の実践事例としてあげている。 br> |
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参考文献 |
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