生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2007(平成19)年7月28日
 
 

少子高齢化と社会教育計画 (しょうしこうれいかとしゃかいきょういくけいかく)

the declining birthrate and the aging population and social education plan
キーワード : 少子高齢化、家庭教育支援、社会参加、社会保障サービス、新しい公共
佐久間章(さくまあきら)
1.少子高齢化の現状
  
 
 
 
   社会教育計画は、地域の有する課題を解決し、目指すべき姿へと導くためのシナリオである。資料や調査の結果等を客観的に分析したものを基礎データとして、計画は立てられなければならない。そのためには、当該地域の位置、地勢、人口(年齢人口構成を含む)、産業、労働、行財政、教育、文化などの状況や、住民の生活構造の実態、意識・行動等のあらゆる地域資料を収集し、主観的・観念的な憶測を避け、具体的な裏付けのある展望を持つことができるように分析し、「知る」だけではなく、将来を読み取ることが求められる。とりわけ、近年特に重要視されているのが、地域の社会教育活動の原動力となる人口と年齢構成に関わるデータである。それでは、ここで我が国の少子高齢化の現状を概観してみる。
 高齢化の進行は、他の先進諸国に例を見ないスピードで進んでいる。高齢化社会から高齢社会になるまでにかかった年数を国際比較すると、フランスが115年、スウェーデンが85年、アメリカが73年であったのに対し、我が国は24年であった。高齢化率は今後も上昇を続け、2050(平成62)年には35%を超えると見込まれている。急速な高齢化の進行は、単に高齢者の増加に起因しているだけではなく、高齢化と同時進行している少子化による影響も大きい。すなわち、少子化がすすめばすすむほど、高齢化が加速するという関係にある。我が国の少子化の状況を合計特殊出生率で見ると、第2次世界大戦後は4を超えていたが、1950年代から2程度にまで低下した後、1960年代から1970年代前半まで、ひのえうまを除き、緩やかな上昇傾向にあった。しかし、その後は1980年代前半を除いて緩やかに低下し、2003(平成15)年には初めて1.3を下回り1.29となった。こうしたことから、第2次世界大戦時を除き、これまで着実に増加してきた我が国の総人口は、急速に低下してきている。今後、我が国の総人口は、2006(平成18)年に1億2,774万人でピークに達した後は、緩やかに減少しはじめ、2050(平成62)年には1億59万人になると見込まれている。
 
 
 
  参考文献
平成17年版 厚生労働白書、厚生労働省編、平成17年8月
平成17年版 少子化社会白書、内閣府、平成17年12月
平成18年版 高齢社会白書、内閣府、平成18年6月
 
 
 
 
  



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