登録/更新年月日:2006(平成18)年1月27日 |
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【現状】 生涯学習推進体制づくりにおいては、これまで国から市区町村に至るまで、生涯学習推進センター等の拠点施設を設置するなど、一定の進展はあったといえよう。国では社会教育局が生涯学習局に改組・改編され、筆頭局に位置づけられたのをはじめ、都道府県では生涯学習振興課などが設けられ、連絡調整組織として生涯学習推進会議等が設置された。市区町村においても、基本的にはこうした動きで推移してきたといってよい。平成16(2004)年6月現在で、すべての都道府県に生涯学習推進担当部局が設置され、生涯学習推進会議を引き継いだ形の生涯学習審議会は、38都道府県が設置している。生涯学習振興計画については、都道府県では45都道府県、市町村では1,679市町村が何らかの計画を有しており、生涯学習振興のための中長期的な基本計画や基本構想が策定されている。また、各地域の生涯学習推進の拠点施設として、学習情報の提供や学習相談、学習需要の把握、学習プログラムの開発等を行う生涯学習推進センターの整備が進められ、現在38都道府県(45ヶ所)、9指定都市(22ヶ所)に設置されている。 ちなみに、自らの都市を、生涯学習を推進する都市として宣言する(議会決議等)市町村が増え、平成16(2004)年現在、170市町村となっている。また、生涯学習によるまちづくりを推進する自治体間でのネットワーク組織として、全国生涯学習市町村協議会も出来ている。これは、住民が主役の生涯学習行政の発展に寄与することを目的に、会員相互間の連携を深め、生涯学習に関わる政策研究と情報交換を進めるための場として平成11(1999)年11月に設立されたものである。平成16(2004)年4月現在、全国210市町村が加盟している。 【課題】 とは言え、生涯学習推進の道筋はこれまでに具体的なモデルがなく、どのような生涯学習社会を目指すのか、またどのような支援システムをつくるのか、といったような目標面でのヴィジョンが明確ではなかったこと、そしてまた、そのような支援システムそのものと従来からの教育システムがどのような関係にあるのか、さらには新しい支援システムへ移行したときに、こうした推進体制は解消するのかどうかという点についてもあいまいであったため、この間の行財政改革等の進展もあり、さらには、市町村合併等の急速な動きもあり、その行く末はかなり厳しいものがあるといえる。また、いわゆる社会教育行政主管課が、あたかも「一つの体に二つの顔」を作って、生涯学習の推進と社会教育の振興を並行的に行うという状況が、依然として続いているということ、他方、積極的に生涯学習を推進しているところと、そうでないところの差が大きいということもある。 こうした中で、推進体制という場合、従来は以上のような行政にかかわる部分のみに関心が寄せられてきたが、これからはさらに学習を直接援助する部分も含む全体的な体制について考えなければならない。そしてまた、改めて学校教育システムをどのように取り込み、どのような全体像を得るのかも課題となろう。一方、生涯学習支援や社会教育に関する事務の担当のあり方(首長が担当することができるようにするかどうか等)の検討も必要であろう。こうした方向性の中で、新たに注目される動きとして、京都市の「地域教育専門主事室」を中心とした地域教育のシステムづくりをあげることができよう。 br> |
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参考文献 |
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