登録/更新年月日:2015(平成27)年12月11日 |
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1)中央教育審議会等での言及 子供の「生きる力」を育むことの重要性は、中央教育審議会答申「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について」(平成8(1996)年)で示されて以来、今日まで様々な政策文書で指摘されている。最近の諸提案等に着目すると、道徳教育の充実に関する懇談会「今後の道徳教育の改善・充実方策について(報告)」(平成25(2013)年)では、「人間の在り方に関する根源的な理解を深めながら、社会性や規範意識、善悪を判断する力、思いやりや弱者へのいたわりなどの豊かな心を育むことが求められている。」として、「特別の教科 道徳」に言及され、平成27(2015)年3月の学習指導要領一部改訂で正式に教科化された。また、中央教育審議会生涯学習分科会今後の放課後等の教育支援の在り方に関するワーキンググループ「子供たちの豊かな学びのための放課後・土曜日の教育環境づくり」(平成26(2014)年)では、「子供たちの主体性を引き出し、地域で役に立つ経験や、失敗を恐れずに挑戦する経験等を通じて、自尊心や達成感が高まるような機会が充実することも重要である。」とされている。中央教育審議会初等中等教育分科会高等学校教育部会「初等中等教育分科会高等学校教育部会 審議のまとめ〜高校教育の質の確保・充実に向けて〜」(平成26(2014)年)では、全ての生徒が共通に身に付けるべき資質・能力について、「今後の自分自身の可能性を含めて自らを肯定的に理解するとともに、自らの思考や感情を律し、今後の成長のために進んで学ぼうとする「自己理解・自己管理力」」が挙げられている。さらには、次期学習指導要領の改訂の指針を提示した中央教育審議会教育課程特別部会論点整理(平成27(2015)年)において、特にこれからの時代に求められる資質・能力として、「情意面や態度面について、自己の感情や行動を統制する能力」や「日本文化を理解して自国の文化を語り継承することができるようにする」ことが示された。 2)小学生・中学生の現状 上記で言及されていることは、規範意識・自尊感情に関連することであることがわかるが、子供の実態はどのようになっているのか、文部科学省・国立教育政策研究所「平成27年度全国学力・学習状況調査報告書 質問紙調査」(平成27(2015)年)を概観してみる。「当てはまる」と「どちらかといえば、当てはまる」の合計をみると、規範意識に関する項目では、「学校のきまりを守っていますか。」(小学6年生91.1%、中学3年生94.3%)、「いじめは、どんな理由があってもいけないことだと思いますか。」(同96.2%、93.6%)という結果であった。また、自尊感情に関する項目では、「ものごとを最後までやり遂げて、うれしかったことはありますか。」(小学6年生94.5%、中学3年生94.1%)、「自分には、よいところがあると思いますか。」(同76.3%、68.1%)であった。こうした状況から、小学生・中学生の規範意識や自尊感情は、決して低いわけではないことが推察される。ただ、本調査も含めて、一連の議論や調査を俯瞰すると、小学生・中学生が中心となっており、高校生について言及されることは比較的少ない。そこで、高校生の規範意識・自尊感情の実態に着目する。 br> |
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参考文献 |
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