登録/更新年月日:2006(平成18)年1月27日 |
|||||||||||||
|
|||||||||||||
|
|||||||||||||
【動向】 内閣総理大臣の諮問機関としておかれた教育改革国民会議は、平成12(2000)年12月「教育改革国民会議報告〜教育を変える17の提案〜」を取りまとめて公表した。同報告では、「教育は人間社会の存立基盤」との認識のもと、17項目にわたる具体の改革を提言している。これら改革提言の一つとして、子どもの社会性を育み、自立を促進し、人間性豊かな日本人を育成する教育の実現のため、従来の教育が「要求することに主力を置いたもの」であったことの反省に立ち、思いやりの心を育てるためにも 「奉仕活動を全員が行うようにする」ことを提言している。この報告を受け、翌13(2001)年には学校教育法と社会教育法に青少年のボランティア活動など社会奉仕体験活動等の奨励を新たに規定する法律改正が行われた。 さらに、平成14(2002)年7月には、中央教育審議会から「青少年の奉仕活動・体験活動の推進方策等について」が答申され、個人が経験や能力を生かし、個人や団体が支え合う、新たな「公共」を創り出すことに寄与する活動を幅広く「奉仕活動」として捉えることにより、これを社会全体で推進することの必要性が提言された。この提言に基づき、個人、学校、関係団体等の活動を支援する拠点として、全国の都道府県、市区町村に体験活動ボランティア活動支援センターが設置され、そこでの活動が円滑に実施されるための連絡調整等を行うボランティアコーディネーターが配置された。平成15(2003)年7月現在、支援センターは都道府県に73カ所、市区町村に1,288カ所設置され、コーディネーターについては、都道府県の支援センターに98人、市区町村には、1,651人が配置されている。 【課題】 ボランティア体験など社会奉仕活動等に学校内外で積極的に参加できるようにするためには、これらの活動への参加を社会全体が評価するような気運の醸成に加え、指導者の養成プログラムの開発や地域におけるコーディネート機能を発揮する拠点施設等の果たすべき役割等の検討と整備が課題となっている。こうした状況を踏まえ、文部科学省では、平成14(2002)年度から、地域と学校を通じて奉仕活動・体験活動を充実するため、国・都道府県・市町村における推進体制の整備を行うとともにモデル事業を実施するなど、活動の機会を充実するための環境整備に努めてきた。 地域においてボランティア活動を活性化するためには、個人が日常的に活動に参加できるよう、参加者の能力や経験、興味や関心に応じて身近に参加できる多彩な活動の機会が用意される必要があり、そのためには、活動の場の開拓、情報収集・提供、関係機関との連絡調整、参加者に対する活動の動機付け等のコーディネイトが重要であり、こうした役割を担うコーディネーターは、活動の推進において大変重要な存在となっている。国立教育政策研究所社会教育実践研究センターが、平成14(2002)年度にまとめた「青少年の体験活動ボランティア活動−『事前学習』プログラムのすすめ−」の中では、青少年が体験活動ボランティア活動を行うためには、準備・導入学習として「事前学習」が必要であることを指摘するとともに、次代を担う青少年のために、ボランティア活動が持つ「教育力」を生かし、それを計画的に推進する青少年教育に特化した専門のコーディネーターの必要性を提言している。 br> |
|||||||||||||
|
|||||||||||||
参考文献 ・教育改革国民会議『教育改革国民会議報告〜教育を変える17の提案〜』平成12(2000)年12月 ・中央教育審議会『青少年の奉仕活動・体験活動の推進方策等について(答申)』平成14(2002)年7月29日 ・国立教育政策研究所社会教育実践研究センター、平成14年度学習プログラムとその効果的な実施に関する調査研究 『青少年の体験活動ボランティア活動−「事前学習」プログラムのすすめ−』平成14(2002)年3月 |
|||||||||||||
『生涯学習研究e事典』の使用にあたっては、必ず使用許諾条件をご参照ください。 |
|||||||||||||
Copyright(c)2005,日本生涯教育学会.Allrights reserved. |