生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2013(平成25)年12月3日
 
 

和歌山県地域共育コーディネーターの現状−学校と地域の協働− (わかやまけんちいききょういくこーでぃねーたーのげんじょう―がっこうとちいきのきょうどう―)

キーワード : 学校支援地域本部事業、コーディネーター、学校支援ボランティア
出口寿久(でぐちとしひさ)
3.調査結果を踏まえたそれぞれの課題
  
 
 
 
  (1)学校の課題
 共育コミュニティの事業が始まって以来、4年間で学校側の理解や対応は格段によくなったものと思われるが、今回のアンケート結果を見てもまだまだ十分でない。何よりも、児童・生徒や教職員にその存在や活動内容が理解されていないことはとても残念である。
 コーディネーターやボランティアが活動しやすい環境、学校を居心地のいい場所にすることが大事である。教員から子どもたちに対する十分な説明が必要であることはもちろんであるが、子どもたちとボランティアが触れ合う場を積極的に設けていくとともに、子どもたちの感想はどうであったかなどを言葉で伝え、また手紙や作文として表現させるなどの活動のフォローが必要である。また、ボランティアが活動終了後すぐ帰宅するのではなく、お茶を飲みながらその日の活動の振り返りをするとともに雑談できる場所や時間があることによって、学校が居心地のいいものにつながっていくものと思われる。是非、余裕教室を活用して、ボランティアルームを設けるなど、ボランティア間で自由に交流できる空間づくりに努めてもらいたい。
(2)行政の課題
 共育コミュニティを支援する行政にも多くの課題があると思われるが、まずは地域で学校を支える取り組みを実施していない学校への働きかけである。「共育コミュニティ推進事業」に取り組まなくても、市町村単独事業や全く予算を使わないで行うなど様々な方法での実施は可能であり、それぞれの地域の知恵や工夫で積極的に取り組んでいただきたい。未実施の学校への働きかけは、これまでの成果を整理したうえで事業のメリットを説明し、理解してもらうことが重要であり、まずは校長に対するアプローチからはじめることになる。
 教職員、コーディネーター、ボランティアの研修の充実も急務である。「共育コミュニティ」を実施している学校ですら教職員に十分に理解されているとは言えない状況であり、いわんや実施していない学校の教職員の理解度はとても低い。研修の機会がある毎に事業内容や成果の説明を行い、一人でも多くの教職員の理解を深めることが重要である。
 コーディネーターが求める必要な行政の支援で多かったのは、「学校との話し合いの場づくり」である。まだまだ十分な関係性が持てていない場合やトラブルが発生した際に教職員とコーディネーター間では解決できないことがあると思われる。市町村教育委員会の担当者は、現場に任せっきりにするのではなく、常日頃から学校及びコーディネーターとの連絡を密にし、事業の実施状況を把握し、場合によっては間に入って調整する役目を果たすことも必要である。
(3)コーディネーターの課題
 コーディネーターとして活動する中での悩みややりがい・楽しさの共有があげられる。活動において、教員やボランティアとのやり取りにおけるトラブルやちょっとした事故は日々起こっていると思われ、それらへの対応にコーディネーターが一人で苦慮していることが今回の調査から垣間見える。他の共育コミュニティのコーディネーターとの情報交換の場を求める人が多いこともそれが要因ではないだろうか。一人で抱えることなく、校長や教頭、市町村教育委員会の担当者、他のコーディネーター等に積極的に相談し、皆の共通課題として課題解決に向けて話し合う場を設けることが必要である。
 
 
 
  参考文献
・「きのくに共育コミュニティの共育コーディネーターに関する調査」和歌山大学地域連携・生涯学習センター、平成24(2012)年
 
 
 
 
  



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