登録/更新年月日:2009(平成21)年9月15日 |
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【説明】 本項では地域社会活動移動診断中心に仕事移動診断の手順とツールを説明する(転職診断については「仕事移動診断−就労支援−」を参照)。 仕事移動診断では、捉える事象(仕事移動)を仕事についての意識、仕事についての情報、実際の仕事に分け、7つの診断ツールを用いながらそれぞれの内容を順番に捉えていく。診断者は診断の各ステップで、現在どのステップにいるかを確認し、受診者の状態変化に注意しなければならない。 ●診断プロセス1:受診者の状態把握 このプロセスでは、受診者の仕事移動の希望(以下、仕事希望)に焦点を定め、受診者の状態を把握する。仕事希望は、仕事移動意識(C11、前項参照)の構成要素である。 <ステップ1>診断者は「仕事移動診断個人票(カルテ)」「地域社会活動移動希望チェックリスト」を使って、診断開始時の受診者の状態を把握する。 <ステップ2>「地域社会活動移動希望チェックツール」を用いて仕事移動希望の構造を把握する。さらに、パターン分析によりそれらの構造を明らかにして問題点があれば検討する。パターン分析は、パターンを構成する要素間の関係を明らかにすることであるが、それには、図示法(図解法ともいう)や記号論理学の論理計算法、関係計算法などを用いる。推論による検討に当たっては「パターン分析用論理式・関係式一覧」を手がかりとする。 <ステップ3>面談を実施する。面談の内容は分析結果の説明とそれによって解決された問題の確認、残された問題の確認である。受診者へ診断結果を伝えることによって、受診者が仕事希望をはっきり認識し、これまでの仕事移動の考え方や行動の仕方を変えたり、新たな考え方や行動の仕方を作り上げたりしていくことを支援する。診断者は診断後の受診者の状態を把握し、もし変化があればパターン分析の結果を修正して、受診者に示す。 <ステップ4>移動希望先を明確化する。受診者が移動をしないことにした場合には、ここで診断は終わる。この時点では具体的な仕事まで決まっていなくてもよい(たとえば、「本を扱う仕事」のようにあいまいな希望でよい)。 ●診断プロセス2:希望する活動の資料収集・確認援助 このプロセスでは、受診者が希望する仕事の資料を収集し、そこから得られる情報に基づいて移動希望先を選択する作業を援助する。 <ステップ5>受診者は各種データベース等を利用して移動希望先の資料を収集し、そこから得られる情報に基づいて移動希望先を選択する。診断者は、情報源情報を提供して受診者の資料収集を援助する。情報源情報の提供には「地域社会活動情報源データベース」を用いる。集めた資料は散逸しないよう「地域社会活動情報ファイル」にまとめてもらう。これには任意のファイルを用いればよい。 <ステップ6>選択された移動希望先から、いくつかの候補に絞り込む。 ●診断プロセス3:希望する仕事の確定 このプロセスでは、受診者が仕事について確かなイメージを形成し、希望する仕事を確定するための援助を行う。 <ステップ7>受診者に、実際に仕事を見学・体験したり、その仕事に就いている人の話を直接聞いたりしてもらい、希望する仕事に関する確かなイメージを形成してもらう。この作業は「地域社会活動リアルイメージ・チェックリスト」を用いて支援する。希望する仕事が確定すれば、診断は終了となる。 br> |
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参考文献 山本恒夫『事象と関係の理論』筑波大学生涯学習学研究室、平成13(2001)年 山本恒夫「生涯学習支援としての仕事移動診断の構想―事象理論からのアプローチ―」八洲学園大学紀要、創刊号、平成17(2005)年 山本恒夫「仕事移動診断の方法」八洲学園大学紀要、第2号、平成18(2006)年 |
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