登録/更新年月日:2006(平成18)年11月25日 |
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ア.コミュニティ・ビジネスと地域通貨 コミュニティ・ビジネスも地域通貨も、ともに、目的とするところは、地域の人々の自主的・自律的な活動を促すことで、地域でのより豊かな暮らしを自ら実現していこうとする仕組みであり、地域コミュニティの活性化と地域経済の活性化、ひいては地域振興をめざすものである。これらに共通の要素が地域の人々のボランティア活動でありNPOの活動であるが、両者はこれらの活動を励まし、相互に繋げていくための絶好の場を形作るものとなっている。ボランティア活動の実践には学習が不可欠であること、ボランティア活動により精神的な満足や成長がもたらされるものであること、ボランティア活動の実践はさらに新たな学習を必要にさせることなどから、かつて生涯学習審議会では、生涯学習の範疇に入るものとも見られるとされた。さらに、審議会では、生涯学習によって得た学習の成果を生かす活動として、ボランティア活動が重要なものの一つであると規定もしている。こうしたことを考えると、コミュニティ・ビジネスも地域通貨も、人々の生涯学習を基底に成り立っているものと見ることができる。 イ.コミュニティ活動と生涯学習 生涯学習は、個人の自律的で生涯にわたって行われるべき学習とされ、極めて個人充足的なイメージで語られることが多いが、学習の成果を活用する場合を考えると、地域での子育て、青少年の健全育成、世代間交流など身近で、日常的な地域コミュニティづくりに関わる活動に収斂されることが多く、そうした意味では、極めて社会的、公共的な活動と言える。そのため、現在は、地域コミュニティの活性化に生涯学習推進が重要な要素として位置づけられるようになってきている。 コミュニティ・ビジネスも地域通貨も、住民の生涯学習を基盤とした自主的・自発的な学習により成り立つものであり、それらの活動を盛んにするためには、基本的に人々の生涯学習活動を推進することが課題となろう。また、これらの活動が目的とする、地域住民による地域コミュニティの再生・活性化ということは、まさに生涯学習の究極の目標の一つでもあり、切り離しては考えられないものである。 生涯学習により、個人のボランティ活動が起き、組織的なNPO活動に発展し、さらに、コミュニティ・ビジネス、地域通貨により、それらが組織化され統合化され、効率化され、相互に連携・強化される。そのことを通して、地域でコミュニケーションの絆が深まり、地域社会の活性化が実現されることが期待できる。さらにまた、そこから、人々の新たなニーズに基づく、生涯学習がふたたび始まると言う連環がみいだされることになろう。その意味で、生涯学習社会の実現にとって、コミュニティ・ビジネス、地域通貨の果たす役割は小さくないものがあるといえる。 br> |
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参考文献 |
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