生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2006(平成18)年11月25日
 
 

コミュニティサービスと地域通貨 (こみゅにてぃさーびすとちいきつうか)

community business and local currency
キーワード : コミュニティ・ビジネス、地域コミュニティ、地域通貨、ボランティア活動、地域振興
今野雅裕(こんのまさひろ)
2.地域通貨
 
 
 
 
  ア.定義
 「地域通貨」は、地域の多くの人々の自発的な参加を得て、ボランティア活動などのサービスや行為またはモノなどの財物を、定められた地域内やグループ内でのみ有効な独自の紙券などに置き換え、これを「通貨」として流通・交換させる仕組みのこと、あるいはその場合の「通貨」のことを言う。あらかじめ、自分の提供可能なサービスや活動あるいは持っているモノを登録しておき、それを求める人に応じて提供し、また、自分が必要なときに、自らが蓄積した「地域通貨」の量に応じて、他の人の登録するサービス等を交換して引き出すことのできる仕組みである。
イ.ねらい
 お互いに、助けたり・助けられたりする関係を、円滑に発展するように、媒介する働きを担うものであり、人々のボランティア活動やNPO活動を相互に結びつけ、支援する枠組みを与えるものである。その意味で地域通貨は地域での人々の心の交流の輪を広げることに貢献し、ひいては地域コミュニティを活性化させるのに役立つ。また、同時に、地域の中で財物やサービスの取引を盛んにすることで、地域経済の活性化さらには地域振興にも期待されるものである。
ウ.事例
 さわやか福祉財団が行う「ふれあい切符制度」(時間預託制度)では、ボランティア活動を行った時間を預託しておき、将来、自分や家族が必要になったときに、その預託分のサービスが受けられるようにしている。多くの団体がこの制度を採用し、参加しているが、団体によって、時間預託、点数貯蓄、労力預託、タイムストックなどとも呼ばれており、呼称もシステムも様々なっているが、総称して「ふれあい切符制度」と愛称されている。ボランティア活動促進の一つの手法としてこの制度の推進・普及が図られている。
 「レッツチタ」は、愛知県の知多地方を中心に行われている地域通貨の一つ。会員登録し、サービスリストに「提供できるサービス・物品」と「希望するサービス・物品」を書く。リストを見て自分の欲しいモノ・サービスがあれば、相手と値段を交渉する。交渉がまとまれば、お互いの通帳に日付・値段額(独自通貨「チタ」で評価)を記入。一定の時期に、チタ額を精算する。
 早稲田・高田馬場地域通貨「アトム通貨」は、地域の学校・商店会・NPOなどで設置される「アトム通貨実行委員会」により運営される。加盟店でフェアトレード商品(第三世界の自立を目指して輸入・販売する)の購入やビニール袋包装なしの買い物で、あるいは地域での清掃活動参加などにより、通貨がもらえ、加盟店で一定額円相当のお金として使用できる。こうした形で、地球環境、地域社会、国際協力に貢献する。
 
 
 
  参考文献
 
 
 
 
 



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