生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2011(平成23)年1月1日
 
 

メディア接触の問題と読書 (めでぃあせっしょくのもんだいとどくしょ)

キーワード : メディア接触、読書、メディア・リテラシー
井上豊久(いのうえとよひさ)
1.メディア接触と生活・読書や意識
  
 
 
 
   国立教育政策研究所が平成20(2008)-21(2009)年に実施した全国の小中学生約3200名へのメディア接触と読書に関する調査を行った。 生活習慣では、メディアの中でも、電話に関しては長時間の子どもはほとんど無く、短時間でも電話接触の有無では生活習慣等に差異はあまりみられない。電話以外の他のメディアの中でも、aゲーム接触時間、bメール、cネット、dテレビ、eマンガ、f新聞,による差異では、差があるもののみ示すと、「朝、ひとりで起きる」ことが「まったくできない」割合が「まったくしない」a8.7%、b8.0%、d8.2%、f10.4%、「3時間以上」a21.1%、b19.2%、d12.0%、f「30分未満」6.3%とa12.4、b11.2、d3.8ポイント高い割合であり、f4.1低い。(以下%略) 「勉強しなさいといわれなくても自分で勉強する」ことが「まったくできない」割合が「まったくしない」a8.9、b10.4、c12.6、d8.2、e9.9、f13.3、「3時間以上」a28.2、b30.8、c28.3、d16.2、e19.4とa19.3、b20.4、c15.7、d8.0、e9.5ポイント高い割合であり、f「30分未満」6.7低い。「テレビを見る時間を守る」が「まったくできない」割合が「まったくしない」a26.9、b30.5、c35.1、d12.2、e26.9、f39.8、「3時間以上」a70.4、b63.5、c52.2、d55.3、e63.9、f「30分未満」24.0とa43.5、b33.0、c17.1ポイント、d33.1、e37.0高い割合であり、f15.8低い。「食事の後かたづけをする」が「まったくできない」割合が「まったくしない」a6.5、「3時間以上」a19.7とa13.2ポイント高い割合である。テレビでは「よくできる」割合が「まったくしない」51.0、「3時間以上」38.6と12.4ポイント低くなっており、お手伝いができていない傾向にある。
  平日の本の接触時間に関しては「朝、一人で起きられる」が「よくできる」割合は、平均が27.4に対して「ほとんど読まない」20.7、「2時間くらい」では36.2と新聞と類似の生活習慣傾向がみられるが、それに対して「3時間以上」になると14.3と問題状況を呈している。「自分の部屋の掃除」や「食事後の後かたづけ」など、他の生活習慣に関する質問項目でも同様に「2時間くらい」が最もよく、「3時間以上」は問題性を示している。ただし、テレビを見る時間を守ることは「まったくできない」は「ほとんど読まない」が36.3に対して「2時間くらい」20.7,「3時間以上」28.6と新聞以外の他のメディアほどには、それほど問題性を示していない。テレビよりも読書に魅力を感じていることもあろう。読書に関しても長時間接触に関しては問題を生じさせる可能性があり、留意が必要であろう。
 
 
 
  参考文献
 
 
 
 
  



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