登録/更新年月日:2006(平成18)年10月27日 |
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(1)目的を明確にする 団体と単なる人の集まりである群集との相違点は、目的の有無であろう。団体である以上は、必ずそれを明確にしておかなければならない。団体の目的に賛同したものが成員になり、その共通の目的を達成するために様々な活動を行なうのである。 ただ、その目的は、団体の成長の経過と共に変化が生じる場合も少なくない。そのような時には、成員間で論議を尽くし、全員の納得の上でそれを変更することも必要になる。 (2)決まりを定め守る(集団基準) 団体の目的を効果的にしかも迅速に達成するためには、ルールを定めなければならない。会社の定款や大学の学則のようなものである。これを普通集団基準と呼ぶ。この集団基準は成文化し、団体の目的、成員の役割分担、意志の決定方法などを明確にしなければならない。更にそれを成員に周知徹底し、それを遵守することにより成員の団体への所属意識は高まり、凝集力は強固なものになる。 (3)役割分担を明確にする(集団の構造化) 団体の構成員は、大別すればリーダーとメンバーになる。いかに有能なリーダーであっても、一握りのリーダーだけで団体の運営は出来ない。リーダーを中核にしながらも成員間で団体運営上の役割、例えば渉外、会計、企画などを分担し、各々がその部署に責任を持って当たるようにすることが大切であろう。なお、その役割を決定する際には、リーダーの情実ではなく、適材適所で行なうようにするのは言うまでもない。 (4)一つの有機体として機能させる それぞれの役割分担が適材適所によって決まり、その役割をきちんと遂行すれば、団体の運営が上手くいくかと言えば必ずしもそうではない。それぞれの部署がその役割を完遂しながらも、それが統合された一つの組織として機能するようにしなければならない。それは恰も野球のチームプレーに似ている。投手が内外角のどこにボールを投げるかによって、野手の守備位置を変えるように、各々の役割が全体として機能するようにすることが重要である。 (5)所属意識を持たせる 団体運営の成否は、成員の多くが所属意識をどれだけ強く持っているか否かにかかっていると言っても過言ではない。成員の所属意識が希薄がちな団体としては、地域に基盤を置く団体、例えばPTAや子ども会などの社会教育関係団体に、その傾向が強いように思われる。 その理由は、恐らく自発的な意志で入会したというよりも、半ば強制的な感じで不本意ながらやむを得ず会員になったことによるものと思われる。そのような成員の所属意識をどうしたら高めることができるか。それは単純なようだが、活動内容を充実し、地域から称賛されるような団体になることであろう。 (6)許容的な雰囲気を創る 団体を永く存続させるためには、成員が何か失敗した場合にそれを許す雰囲気を醸成するよう常に心掛けることが大切である。人は誰もがミスを犯す。それを楯に、成員同士が脚の引っ張り合いをするような団体には、誰も魅力を感じない。失敗を許しあい、それを糧に更なる組織の発展に繋げるような団体にしたいものである。 br> |
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参考文献 ・河野重男他『新社会教育事典』第一法規、昭和58年 ・三隅二不二『グループ・ダイナミックス』共立出版、昭和55年 ・多勢康弘『指導者論』新潮社、平成8年 ・『生涯学習概論ハンドブック』国立教育政策研究所社会教育実践研究センター、平成17年 |
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