生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2009(平成21)年8月31日
 
 

図書館 (としょかん)

library
キーワード : 図書館法、公共図書館、公立図書館、公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準、国立国会図書館
薬袋秀樹(みないひでき)
3.公共図書館の歴史と現状
  
 
 
 
  【図書館の歴史】
 近代公共図書館の重要な要件は無料制である。無料制の近代公共図書館は19世紀半ばに英米で成立した。わが国では、明治41(1908)年に東京市立日比谷図書館が開館し、明治43(1910)年には全国で374館の図書館があったが、図書館法制定以前の戦前・戦後の公共図書館の大部分は有料で、昭和25(1950)年の図書館法制定によって無料となった。そのため、図書館法制定以前の日本の公共図書館は近代公共図書館ではないと言われている。
 図書館法制定後、公共図書館では、開架、移動図書館、レファレンスサービスなどが取り組まれたが、その後、読書運動や団体貸出に重点を置くようになり、利用は伸び悩んだ。昭和45(1970)年の『市民の図書館』(日本図書館協会)の出版等を契機に、貸出サービスと児童サービスに力を入れたことによって、利用が大幅に増加し、図書館数も増加して、公共図書館は発展してきた。しかし、レファレンスサービス等への取り組みが遅れているという指摘もあり、近年は、出版流通との関係、地域社会における役割等さまざまな問題点が指摘されている。
【図書館の現状】
 平成20(2008)年4月現在の全国の公共図書館数は3,106館で、都道府県立図書館の設置率は100%(知事部局所属の図書館を含む)、市区立図書館の設置率は98%、町村立図書館の設置率は52%である。専任職員数は約13,000人で、司書有資格者の占める比率は約50%である。平成19(2007)年度の人口一人あたりの館外個人貸出冊数は5.0冊で、日本国民は、1年間に1人平均約5冊の本を借りている。
 平成9(1997)年度と平成19(2007)年度の図書館に関する全国集計のデータを比較すると、図書館数と貸出冊数は増加しているが、専任職員数と資料費は減少している(『日本の図書館』2008年版、日本図書館協会)。

 
 
 
  参考文献
 
 
 
 
  



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