登録/更新年月日:2009(平成21)年8月31日 |
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【法規・基準・報告】 公立図書館を中心に、私立図書館を含む公共図書館について説明する。公共図書館に関する基本的な考え方は図書館法で、そのうち、公立図書館の具体的な在り方については、「公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準」(平成13年文部科学省告示)で定めている。1980年代末以後、文部科学省から図書館に関する報告が多数発表されている。これからの図書館の在り方検討協力者会議は、平成18(2006)年3月に『これからの図書館像』を発表し、これまでの図書館サービスに加えて、地域の課題解決を支援するサービスを提案している。 【目的とサービス】 公共図書館の目的については、図書館法第2条で「一般公衆の(中略)教養、調査研究、レクリエーション等に資すること」と規定している。幅広い目的を設定しつつ、調査研究が含まれている点に社会教育施設としての特徴がある。第3条では、図書館サービスに関して、学校教育に対する援助、家庭教育の向上について留意するよう定めており、学校教育や家庭教育に対する協力について配慮されている。 図書館サービスについては、図書館法第3条で定めている。最も基本的な図書館サービスは貸出サービスとレファレンスサービスであると言われている。これまで、貸出サービスに力を入れてきたが、貸出サービスは今後も重要である。レファレンスサービスや調査研究への援助は、これまで十分ではなかったため、今後充実する必要がある。図書館資料は、図書中心で、雑誌・新聞等の資料の提供が遅れている。 「公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準」では、児童・青少年サービス、高齢者サービス、障がい者サービス、在留外国人サービス等について定め、また、就職・職業能力開発・日常の仕事、並びに地方公共団体の政策決定や行政事務等の地域の課題解決に必要な資料・情報の収集・提供に努めることについて定めている。 【図書館の職員と経営】 司書の配置は、図書館を設置する地方公共団体の教育委員会の任意であり、義務付けられていない。司書資格を得るための単位数が少なく、専門的職員の資格としては十分ではないこと、司書は非専門的な業務も担当してきたことなどの問題が指摘されている。近年、司書の配置は後退する傾向にある。 平成15(2003)年、地方自治法が改正されて指定管理者制度が定められ、公立図書館の運営を民間企業を含む民間団体に任せることができるようになった。指定管理者が運営する図書館は徐々に増加しているが、問題点も指摘されている。これを契機に、図書館の経営や管理の在り方が注目されており、その検討が求められている。 平成20年に改正された図書館法第7条の3 と同条の4では、図書館は、運営状況の評価を行い、その結果を基に運営の改善を図り、運営状況に関する情報を積極的に提供するよう努めることを規定している。「公立図書館の設置及び運営上の望ましい基準」では、図書館サービスについて、適切な指標と数値目標を設定して計画的に達成に努め、達成状況の自己点検・評価を行い、その結果を住民に公表するよう努めることを定めている。今後は、図書館サービスの評価基準の作成や評価機関の確立が必要になると考えられる。 br> |
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参考文献 |
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