登録/更新年月日:2005(平成17)年9月14日 |
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(1)社会教育法は、教育基本法の精神に則ることを、その第1条に明記している。具体的には、教育基本法第2条の規定、「教育の目的は、―《あらゆる》機会に、《あらゆる》場所において、―。《実際生活》に即し、―文化の創造と発展に貢献するように努めなければならない。」を享けている。《 》を付したところは、そのまま本法の第3条第1項に規定する字句である。 ところで教育基本法第7条(社会教育)では、社会教育を、「家庭教育及び勤労の場所その他社会において行われる教育」としている。「その他社会」とあるのは、主として地域社会を意味するのであろうが、戦後の社会教育行政の現実を回顧すると、ウエイトは、地域社会、家庭、職域の順であったと言えるであろうか。 平成13(2001)年の社会教育法の一部改正で、家庭教育や自然な野外の活動等がクローズアップしたことや、最近、企業研修やリカレント教育、大学の科目等履修生制度等の動きが活発になってきたことを考えると、社会教育行政は、時代の変化に対する感度を敏感にする必要を痛感する。 社会教育法の目的は、「社会教育に関する国及び地方公共団体の任務をあきらかにすること」であるが、社会教育行政が恣意的な発想に左右されることなく、又個人的、偶発的な事情による隆替を避け、その根拠と範囲と限界を最大限法令により明らかにしてゆく努力が不断に要求されているのではないか。 (2)第2条の「社会教育」の定義は、国や地方公共団体が、行政として関わる時に必要とする限度における定義である。社会教育そのものについての定義ではない。しかし社会教育そのものについての定義を踏まえる努力が不可欠なことは勿論である。社会教育法第2条では、(ア)学校の教育課程として行われる学校教育活動を除外(イ)主として青少年及び成人に対するもの(ウ)日常生活の中で、ある程度意図的、計画的、継続的な組織的な教育活動(エ)体育及びレクリエーションの活動を含むとされた。 ところで昭和62 (1987) 年8月7日の臨時教育審議会の最終答申後、「生涯学習の振興のための施策の推進体制等の整備に関する法律(平成2年法律第71号)が施行され、生涯学習振興のための諸施策が展開されているが、この法律においても「社会教育」の用語が使われている。第3条第1項中「学校教育及び社会教育に係る学習(体育に係るものを含む。以下この項において「学習」という)―」。 第2項中「社会教育関係団体その他の地域において生涯学習に資する事業を行う機関及び団体との連携」。第5条の地域生涯学習振興基本構想に関する規定中「社会教育に係る学習(体育に係るものを含む)及び文化活動その他の生涯学習に資する諸活動の多様な機会の総合的な提供」等である。 社会教育法に規定する「社会教育」の概念を他の行政関係法、教育行政において使用される「社会教育」の概念と、又、一般に使用される「教育」、「学習」、「生涯学習」、「生涯教育」等の概念と、相互に整合させながら理解し、運用したいものである。 br> |
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参考文献 井内慶次郎、山本恒夫、浅井経子『改訂 社会教育法解説』全日本社会教育連合会、平成13年。 |
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