登録/更新年月日:2009(平成21)年8月19日 |
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その実践例として,駿河湾に面した由比漁港では,体験型教育観光を受け入れている。この事業は,静清教育旅行誘致協議会(現,しずおか体験教育旅行)の事務局長である宮城島史人氏と著者(当該協議会のアドバイザーを拝命)が,由比港漁業協同組合(宮原淳一組合長)に提案し,実現したものである。そのねらいは,観光事業を通して地域の活性化を考えるところであるが,教育の立場からは,都会の子供たちに魚のさばき方や定置網からの水揚げを見学させることで,海から食の埋められる現場を体験させるところにあり,いわゆる,食育の学習を目指している。引率した教諭の方からの熱い御意見・御感想として,「児童は今まで,海水浴,海釣りや潮干狩りなどレジャーとして(海を)体験しているが,実際に漁港を訪れて見学などをほとんどしていない。非常に今回の体験学習を楽しみ」にしており,このような体験を通して,「副読本・ビデオ・教科書等で学習していたものが実際に体験できる利点」,「漁港で働いている人達との交流ができるために,生きた学習」,そして,「情操的な効果」として,「地域や仕事の違いを理解しながらひとりの人間として成長できるきっかけ」をつくってほしいとある。 また,別の実践事例として,「宿場体験」を行っている。それは,東海道の旧宿場町である蒲原に子どもたちを引率して,江戸時代の宿場のつくり,まちなみを体感してもらおうと言う,「生きた歴史」の勉強の一環としてである。その場となる「志田邸」は国登録有形文化財であり,屋号を山六という醤油醸造元の商家である志田邸は,安政元年の大地震の翌年(安政2年,1855年)に建て直された,蒲原町最古に属する町屋である。小中学生の宿場体験は,江戸後期から醤油製造していた「志田醸造」の醸造場,また,志田邸に隣接している「東海道町民生活歴史館」で行われる。この資料館には,蒲原での生活の衣食住・教育等の変遷を今に伝える貴重な文化財が展示されており,「食」としての膳,とくに,漆で塗り作られた「蒲原古代塗」が展示されている。この歴史館は,「NPO 生涯学習・健康福祉推進センター」(理事長:小木曽幸男氏)が管理しており,筆者は当該NPOのアドバイザーでもある。 その他,体験型のイチゴ観光(久能石垣イチゴ)など,実践例は豊富である。 br> 添付資料:体験の実践例(著者撮影) |
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参考文献 |
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