登録/更新年月日:2006(平成18)年12月9日 |
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環境庁大気保全局(現,環境省環境管理局大気生活環境室)は,1988年に「全国星空継続観察」を開始した。これは,肉眼や双眼鏡,カメラなどを使った身近な方法によって星空観察を行うことにより,間接的に大気の汚れ具合を調べるもので,光害(ひかりがい)や大気汚染などのない清澄な大気への関心を高めてもらうことを目的として始めたものである。 全国から提供されたデータを環境庁が分析し,その結果を取りまとめ,大気汚染度が少なく光害の少ない地域をランキング的に公表したところ,それが「清澄な大気への関心を高める」という当初の目的から離れ,結果的に生じる「美しい星空ランキング」として広く国内に認知されることとなった。国のお墨付きをもらった自治体は,これを契機に「美しい星空のまち」宣言や「星の降る里○○町」など,美しい星空のあるまちを謳ったまちづくりを進めることとなった。 岡山県美星町(現,伊原市美星町)では,全国に先駆けて平成元(1989)年に「美しい星空を守る美星町光害防止条例」を制定し,街路灯の笠の形状,照らす角度,設置場所までを細かく設定し,夜空(星空)を不要な人工の光が照らすことのないように制限することで光害を減少させる運動を開始した。具体的には,公害防止モデル地区の指定,夜空の明るさの目標値の設定,町,町民,業者のそれぞれの責務,光害防止対策費用の補助などがある。文字通り星の美しい町に残されている美しい星空を守る運動がここに始まるのである。そしてこれがひとつの町の「まちづくり」を超えて,全国的規模での光害防止運動のスタートとなる。 その後,平成8(1996)年には鳥取県佐治村(現,鳥取市佐治町)が「佐治村の美しい自然と星空を守る宣言」を議会採択し,群馬県高山村でも,県立ぐんま天文台の建設に伴い,平成10(1998)年に「高山村の美しい星空を守る光環境条例」を制定した。 現在,光害を防止しようという動きは,地球規模で拡大している。 br> |
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参考文献 ・美星町(現,岡山県伊原市)「美しい星空を守る光害防止条例」1989年11月22日制定。 ・佐治村(現,鳥取県佐治町)「佐治村の美しい自然と星空を守る宣言」1996年3月25日,議会決議。 ・高山村(群馬県)「高山村の美しい星空を守る光環境条例」1998年10月1日制定。 |
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