登録/更新年月日:2006(平成18)年1月27日 |
|||||||||||||
|
|||||||||||||
|
|||||||||||||
【説明】 1)「審議経過の報告」では、今後の生涯学習を振興していく上での基本的考え方の第一に、「『個人の需要』と『社会の要請』のバランス」を挙げた。 学習活動は「個人的欲求が中心となりがちであり、ともすれば、社会にとって必要なことへの関心や対応が欠如しがちである」、「社会の存続を図るためには、社会に共通の課題に取り組む必要」がある、これらは「必ずしも個人の興味・関心に合致しないことが多いが、それへの取り組みを怠ると、社会的に様々な問題の発生につながるおそれが生じる」とある。 平成4年の生涯審答申から10年を経て、ここで言う「社会の要請」と現代的課題についてどのように考えればよいか。 2)現代的課題では、その前提に人々が「人間性豊かな生活を営むために」があったが、「社会の要請」では「社会の存続を図るために」とされ、視点が学習者である人々から社会側に移り、より社会全体としての問題意識が強調されている。 現代的課題には、そこから学習すべき課題を具体化し、行政が人々に学習を奨励することで、「課題解決に取り組む主体的な態度の涵養」につなげようという、人々の主体的態度・活動への期待がある。一方、「社会の要請」ではこのような観点はあるにせよ、今日の社会がそれを待てない状況にもあるという認識からか、行政のより積極的な取組を求めている(このため、現代的課題から「社会の要請」へと用語の「差し替え」が必要だったと言える)。 3)これは、主体的な学習者を前提に、その多様なニーズへの対応をめぐって展開してきた、これまでの行政による生涯学習支援(現代的課題の学習支援も実は如何にそれを学習者のニーズと結びつけるかを求めた取組であった)の転換(「個人の需要」と「社会の要請」の比重をどうするか)をある意味、強く求めている。ここ10年の間に社会状況は大きく変化し、また様々な社会的な課題が山積している。行政が今後どのような役割を果たすべきかが再検討されるべき時機だが、現代的課題が提示した考え方は何も行政のためのものではなく、人々の「生涯学習」をめぐって今後もなお有効である。 br> |
|||||||||||||
|
|||||||||||||
参考文献 |
|||||||||||||
『生涯学習研究e事典』の使用にあたっては、必ず使用許諾条件をご参照ください。 |
|||||||||||||
Copyright(c)2005,日本生涯教育学会.Allrights reserved. |