登録/更新年月日:2009(平成21)年9月14日 |
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【字義】 生涯学習事象・関係論は、一般理論(公理論)としての事象と関係の理論のモデル(あるいはモデル理論)であるが、その対応のこと。 【説明】 一般理論(公理論)を特定の領域に対応させて作られた特定理論を、その一般理論(公理論)のモデル(あるいはモデル理論)というが、生涯学習事象・関係論は事象と関係の理論のモデル理論である。 近代から現代にかけての科学は、欧米を中心に発達してきた。その系譜は、古代ギリシャの哲学(世界認識の学問)、論理学(ものを考える方法)に始まり、その一部が中世ローマの神学を飛び越えて、近世から近代にかけての近代科学につながり、それが現代にまで続いて発展してきたといえるであろう。しかし、それは自然科学中心であった。 そのため、社会科学に関しては、従来からの科学方法論に限界があるので、これからは、 1.社会の問題に適用できる一般的な思考法を発見したり、創出したりすること、 2.それを使って社会の問題を解明すること、 が必要であろう。 第1の思考法に関しては、たとえば多値論理、非単調論理、関係計算、複雑系の計算等の発展を図ることが課題としてある。 第2の問題解明に関しては、問題を解明し、解明済みの知識を蓄積して、それを体系化した新たな学問を構築するという課題がある。 添付資料・図1は、そのような課題を取り込んだ一般理論の構造を、公理論→特定領域理論(モデル理論)→問題解明理論として示したものである。 添付資料・図2は、生涯学習事象・関係論が、公理論としての事象と関係の理論のモデルであることを示したものである。 ただし、実際の問題を解明するためには、図中にもあるように、さらに生涯学習問題解明方法論を構築する必要がある。 添付資料・図2の定理・法則・効果の共通式は、これまでの科学が蓄積してきた定理・法則・効果の中から要素間の関係や論理を抽出すると、共通の式となるものがかなりあるので、それを問題解明方法に活用しようとして導入した理論的要素である。 図中の反証は検証の有力な方法で、理論をあくまで仮説の体系ととらえ、それが偽であるかどうかを観察・調査・実験などによってテストすることである。テストを行ってその仮説が偽とならなかった場合に検証されたといったりするが、それは、その仮説が反証されずに1回だけテストに耐えたというだけのことである。 確証は、そのように仮説がテストに耐えた場合のことで、これは、その仮説を支持する経験的な手段あることを意味している。ある命題の確からしさを支持する経験的手段があれば、確証可能性があることになる。最近は厳密な反証を行いにくいこともあり、検証が確証にゆるめられることが多い。 br> 添付資料:生涯学習事象・関係論の構造 |
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参考文献 ・山本恒夫『事象と関係の理論』筑波大学生涯学習学研究室、2001 ・山本恒夫「「事象の理論」への共通式の導入」八洲学園大学紀要第4号、2008 |
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