登録/更新年月日:2008(平成20)年12月16日 |
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1)学校・学習の認識 学校で学ぶことに関して、高校生は、友人関係の形成ができる点に学校の意義を認めながら将来のために学習しているが、その学習におもしろさを見出しているわけではない。また、勉強の仕方がわからないなど、学習方法についての悩みが多く、机上の学習より、実技や実験などを取り入れた学習を望んでいる。学習方法・時間に着目すると、放課後等に学校で行う補習を利用しながら、塾や予備校へも通っており、その時間が学年進行に伴って増加する傾向にある。その反動のためか、家庭での学習時間が少なくなっている。これらを勘案すると、学校での授業以外の補習とその後の学習塾等で、高校生の一日は学習に関する時間が多くを占めており、家庭に戻って学習することは少なくなっているという姿が浮かんでくる。ボランティア等の体験学習については、現在ボランティアに取り組んでいる割合や今後の活動希望は高くなく、学校を中心に体験学習に取り組んではいるものの、カリキュラムの一環として義務的に取り組んでいる形になっており、その後の継続的・発展的な学習への動機づけにはなっていない。 2)人間関係 友人関係について、友だちといることは楽しいもので、友だちからは「明るい」「信頼できる」自分として見られたいと思っており、友だちに対しても同様のことを期待している。また、学校生活を中心とした友人関係が形成されており、友人と一緒にいる時に生きがいや充実感を抱く割合が比較的多く、それが地域社会への愛着にもつながっている。コミュニケーション手段では、テレビとの接触時間が比較的長く、信頼も置けると感じている。インターネットに関して、利用頻度の差はあるものの、利用可能な環境にあること、携帯電話の普及率は高く、友だちとの関係維持のために利用している。携帯電話でインターネット利用が可能であることを加味すると、情報源、連絡手段として、携帯電話の存在が大きい。また、新聞を読む頻度や時間は多くはなく、読書に関しても授業や宿題以外での楽しみを認めつつも、その関わりは薄い。携帯電話やインターネットとの関わりが大きい一方で、紙媒体である非電子メディアとは関係が疎遠になっている。 3)社会に対するスタンスと自己認識 自分の生き方や夢を重視していること、学校の成績を基盤にしながら家族や友人からの影響を強く受けている。自分自身に関する近い将来のことを大切にしている一方で、それを取り巻く社会全般のことや長期的視野が求められる事柄に関しては、重視していない。また、学校外で自分の趣味に興じたり、友人と時を共にすることに充実感を抱いている。それから、友人関係を、高校生活の今を楽しく過ごすために必要なものとして捉えている一方で、社会人になってからも不可欠なものとして認識している。 学校生活、特にそこでの友人関係が中心的な関心事となっている一方で、部活動や補習、塾などに多くの時間が割かれている。そうした限られた時間を有効に活用するために、携帯電話に依存しているということが想像できる。また、「忙しい」ライフスタイルを鑑みると、地域社会との関わりが希薄になりがちになるのは致し方ないのかもしれない。 br> |
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参考文献 ・生活情報センター編集部『若者ライフスタイル資料集2006』生活情報センター、2005 ・日本能率協会総合研究所『中学生・高校生のライフスタイル資料集2006』生活情報センター、2005 ・アーカイブス出版『若者ライフスタイル資料集2008』アーカイブス出版、2007 |
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