生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2005(平成17)年9月14日
 
 

ITを活用した生涯学習事業 (あいてぃをかつようしたしょうがいがくしゅうじぎょう)

キーワード : 生涯学習関連施設、IT基礎技能講習、ボランティア、「IT活用型生涯学習事業のプランニング支援」事業、エル・ネット
綾牧子(あやまきこ)
1.ITを活用した生涯学習事業‐事業の概要
  
 
 
 
  【事業の概要】
 近年、急速に移り変わる高度情報化社会に対応して、生涯学習関連施設がITを活用した生涯学習事業を実施することが増えてきている。特に、平成12(2000)〜13(2001)年度に全国的に実施された「IT基礎技能講習」以降、社会教育施設等における情報機器の整備が進み、ITの基礎技能を習得したボランティアも多く育成されたことにより、ITを多様に活用した生涯学習事業の展開が期待されている。
 また、平成12(2000)年11月、文部科学省(当時・文部省)の生涯学習審議会から出された「新しい情報通信技術を活用した生涯学習の推進方策について(答申)」においては、地域の中心となる生涯学習関連施設が、情報化の拠点的な役割を担うことの必要性が提言されている。
 以上のような流れを背景に、(財)日本視聴覚教育協会は、文部科学省の委託を受けて、平成14(2002)年度より「IT活用型生涯学習事業のプランニング支援」事業を実施している。この事業は、社会教育施設等におけるIT活用型生涯学習事業の先進的な事例を収集・取材し、それをもとに、「研修番組」と「デジタル・コンテンツ」を制作したものである。これは、主として事業の企画立案担当者が、実際に事業を企画していく際に、その参考教材として活用できるものとなっている。多様なIT活用型生涯学習事業を紹介し、それぞれの事業のポイントを示すことにより、どの生涯学習関連施設でも、ITを活用した事業に取り組めるようになることを目指している。
【教材の内容】
 「研修番組」は、平成14(2002)〜16(2004)年度までに合計12シリーズ制作され、合計21事例が紹介されている。1シリーズが20〜30分の番組となっており、エル・ネットを利用して放送された。また、平成14年度は、15事例についての「デジタル・コンテンツ」も制作され、エル・ネットコンテンツ配信システムで公開されている。
 これらの教材の内容は、教育委員会(社会教育主事、事務局等)やボランティア、学習者等が活動している様子、および関係者へのインタビューから成り立っている。また、それぞれの実践事例について、講師であるコメンテーターによって、実践上のポイントや注意点が示されている。
 さらに、「研修番組」の流れを示したテキストや関係資料等も制作し、インターネットからダウンロードできるようになっている。
また、平成15(2003)・16(2004)年度に制作された「研修番組」については、事例ごとにモジュール化(番組を分割すること)され、エル・ネットコンテンツ配信システムとインターネットWeb上で公開されている。
 このように、これまで開発された教材は、生涯学習関連施設において、ITを活用した生涯学習事業を企画・立案する際の具体的な情報が含まれている。今後、生涯学習関連施設は、IT化が進むにつれて、地域の情報拠点としての役割をさらに増していくであろう。ITの活用の仕方は、各地域のニーズによって多様に考え出され得るものである。そのため、これらの教材を活用しながら、各地域のニーズに応じたIT型生涯学習事業が展開され、新たな学びの場が創出されていくことが期待されている。
 
 
 
  参考文献
・「IT活用生涯学習事業のプランニング支援事業」日本視聴覚教育協会:http://www.javea.or.jp/it_plan/、平成17(2005)年5月30日参照
・伊藤俊夫編『生涯学習社会の社会教育−社会教育委員必携(改訂版)』全日本社会教育連合会、平成14年
 
 
 
 
  



『生涯学習研究e事典』の使用にあたっては、必ず使用許諾条件をご参照ください。
<トップページへ戻る
 
       
Copyright(c)2005,日本生涯教育学会.Allrights reserved.