登録/更新年月日:2006(平成18)年1月27日 |
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【説明】 第2次大戦後の社会教育は、人々の自主的な学習活動の支援を重視して、活動の場を整備することに力を入れてきた。そのため、戦後の社会教育は施設中心主義ともいわれることもある。 したがって、社会教育の仕組みについては、まず社会教育施設をベースに、そこに社会教育の指導者がいて、人々が、施設を活用したり、指導者の支援を受けたりして、さまざまな内容・方法・形態の教育・学習活動を行っている、と捉えることができるであろう。ここでは、それぞれについて、具体的にどのようなものがあるかをあげておきたい。 ●施設 社会教育の施設としては、公民館、図書館、博物館、青少年教育施設、女性教育施設、社会体育施設、視聴覚ライブラリー・センターなどがある。これらは行政の設置したものが多い。民間の場合には、カルチャーセンター、カルチャースクール、けいこごとの塾、個人教授所などがあげられるが、社会教育施設という自覚を持たないものも多い。 ●指導者 社会教育にあっては指導者が重要な役割を果たすが、資格取得を要するものとしては、社会教育主事、図書館の司書、博物館の学芸員がある。また、公民館主事、青少年教育施設、女性教育施設の指導系職員、社会教育関係団体の指導者、ボランティア・リーダーなども社会教育の指導者である。 ●内容 社会教育の内容といえば、ふつうは学習する内容でとらえることが多い。社会教育の内容は多方面にわたるため、そのとらえ方もさまざまである。ごく一般的には、 (1)職業に関するもの(職業資格取得に関するものも含む) (2)家庭・日常生活に関するもの(料理、和洋裁、健康、育児、生活技術など) (3)教養に関するもの(文学、外国語など) (4)社会・時事問題に関するもの(政治・経済問題を含む) (5)芸術・芸能・趣味に関するもの(茶華道・囲碁・将棋なども含む) (6)スポーツ・レクリエーションに関するもの(つり、登山なども含む) (7)その他 のような分類によってとらえている。このような分類法は、分類の目的によって異なってくる。 ●方法・形態 社会教育の場合、方法は教育・学習活動を展開する形態とも不可分の関係にあるため、単に方法といわず、方法・形態として形態を含めて論ずることが多い。ここでもそれに従えば、集会学習、集団学習の方法・形態として、学級・講座・教室、行事(イベント)、グループ・サークル・クラブ活動、団体活動、講演会などがあり、個人学習の方法・形態には、社会通信教育、マスメディアなどの利用などがある。またその中間的な方法・形態としては、個人教授がある。最近は、集団学習、個人学習を通してIT活用の学習方法が注目されるようになった。方法・形態の中から方法だけを取り出せば、講義、演習、実習、見学、話し合い、ロールプレイングなどが挙げられる。ただし、その多くは必ずしも社会教育に固有の方法ではない。 社会教育の活動は、前述のような対象別領域で、これらの方法・形態を多彩な内容と組み合わせて展開されている。ただし、21世紀に入り、社会の変化は加速化し、行政改革の影響もあって、このような構造は急速に変わりつつある。 br> |
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参考文献 ・山本恒夫編著『生涯学習概論』東京書籍、平成10(1998)年 ・山本恒夫『21世紀生涯学習への招待』協同出版、平成13(2001)年 ・井内慶次郎・山本恒夫・浅井経子『改訂社会教育法解説』全日本社会教育連合会、平成13(2001)年 ・井内慶次郎監修、山本恒夫・浅井経子編著『生涯学習[答申]ハンドブック−目標、計画づくり、実践への活用』文憲堂、平成16(2004)年 |
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