登録/更新年月日:2006(平成18)年10月27日 |
|||||||||||||
|
|||||||||||||
|
|||||||||||||
1.団体の種類 一口に団体と言っても多種多様である。大袈裟に言えば、国や地方自治体のような巨大な団体から十数人で構成されるグループ・サークルまで大小様々である。ここでは主として、インフォーマルな団体、グループ・サークルに焦点化して、その種類や運営の方法などについて考えてみたい。 (1)地域に基盤を置く団体 わが国の団体活動は、地縁的な関係で結成された団体から始まったと見ても間違いではない。例えば、今日では殆ど消滅しかかっている地域青年団は、その源流は江戸時代の若者組(娘組)にあるとされる伝統ある組織である。これを明治維新の成立と共に、近代的な国家に相応しい青年の組織に変えるべく努力したのが山本滝之助や田沢義舗などである。当然今の青年団もその影響下にある。しかし、全国的に進むコミュニテイーの崩壊は、青年団の存在の意義を失わせつつあると言えよう。 同種の団体としては地域婦人会、子ども会などがある。いずれも、地域の崩壊が叫ばれ始めてから衰退傾向を示し、とりわけ青年団や地域婦人会はその傾向が強い。しかし、現在のように地域の中で多発する乳幼児の殺傷事件、環境汚染、産業廃棄物の不当投棄等々の現実を視ると、地域に基盤を置く団体の役割は、極めて重要になっている。これらの団体の再構築を図り、安心、安全な街づくりに貢献されることが期待されている。 (2)対象別の団体 発達段階別に結成された団体も一般的である。成員の年齢がある程度共通していることもあって、団体の目的や活動などに対する共通理解も得易く、今日でも各種団体が組織されている。例えば、少年団体としては、小・中学校の児童・生徒を主な対象としている子ども会、ボーイスカウト、ガールスカウト、海洋少年団、郵便友の会等々である。 青年団体は、大体15,6歳から25,6歳ぐらいの年齢層で構成される組織で青年団、YMCA、YWCA、ユースホステル等々がある。 成人団体としては、教養、健康、スポーツ、趣味などのためのグループ・サークルが数多く組織化されているが、代表的なものはPTAであろう。また、女性を対象にした成人団体として地域婦人会、日本基督教婦人矯風会などがある。 高齢者団体としては、概ね65歳以上の高齢者を成員とする組織である。高齢化が急速に進むに伴い(全人口に占める高齢者の割合20.7% 総務省平成18(2006)年9月発表)、高齢者は様々な団体、グループ・サークルに加入し学習活動や社会貢献活動などを行なっている。代表的な団体は老人会(クラブ)であろう。 (3)その他 その他にも活動内容別の団体として文化・芸術団体、体育スポーツ団体、ボランテイア団体などがある。特に近年は、非営利活動促進法の施行(平成10(1998)年)により2万以上のNPO法人が排出し、社会福祉活動は勿論のこと教育活動に取り組む法人も多い。問題を抱えているものも少なくないが、今後の活動に期待される団体と言えよう。 br> |
|||||||||||||
|
|||||||||||||
参考文献 ・河野重男他『新社会教育事典』第一法規、昭和58年 ・三隅二不二『グループ・ダイナミックス』共立出版、昭和55年 ・多勢康弘『指導者論』新潮社、平成8年 ・『生涯学習概論ハンドブック』国立教育政策研究所社会教育実践研究センター、平成17年 |
|||||||||||||
『生涯学習研究e事典』の使用にあたっては、必ず使用許諾条件をご参照ください。 |
|||||||||||||
Copyright(c)2005,日本生涯教育学会.Allrights reserved. |