登録/更新年月日:2006(平成18)年1月27日 |
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【マスコミの特性と現状】 マスの特徴は1948年ルイス・ワース(Louis Wirth)によって7つに分類された。多数の人間、地理的な分散、異質な構成員、匿名な諸個人、無組織、個人同士の共通な規則・制度を持たない、互いに無接触な諸個人である。マスは不特定多数で、コミュニケーションを取る手段を用いても、送り手が受け手の反応を確認しがたい。メディアはこのマスに向って情報を発信しコミュニケーションできる機能をもつ媒体といえる。 20世紀に発展を遂げたマスメディアの情報伝達能力は1)迅速性、2)広範性、3)同時性、4)反復性、5)相乗性などにあり、送り手は社会に向って特性を生かしてコミュニケーションをとる事を目的としている。 一方、メディアの多様化が進み、多量の情報が伝播されると、どれが真実かを見極める能力がマスの個々人に要求されるようになっていく。また、同一の情報判断を同時に行い、同一の行動をとる「画一化」現象が生じる。「流行」「ブーム」などの社会現象がおきやすくなる。そして社会人として成長過程にある未成年者に与える影響も大きい。 ・新聞:明治3(1870)年活版印刷により日本最初の日刊発行された「横浜日日新聞」以来、朝刊・夕刊が現在約5302万部(1世帯当り1.06部) ・テレビ:昭和28(1953)年2月放送開始されたテレビ放送は、カラー化、高画質化、データ多重、デジタル化などのインフラを進め地上波、CATV、衛星放送、ブロードバンド放送を多チャンネルで発信している。平成15年の国民1人のテレビ視聴時間は1日当たり3時間42分である。(情報通信白書) ・出版:年間約75000タイトルの書籍出版、約660タイトルの各種雑誌発刊 ・映画:スクリーン数2825(内シネコン63パーセント)劇場用邦画310本、同洋画339本、映画人口年間1億7009万人(2004年映連調べ) ・広告:政治、文化、生活までに影響を与えている大量のコマーシャルは、年間広告費約5兆8571億円(平成16年・電通調べ)で、テレビ、新聞、ラジオ、雑誌、衛星メディア、インターネットにつぎ込まれている。マスメディアが消費生活や政治、文化、教育などに相乗効果を生んで浸透している所以である。 自主規制:マスコミメディアは夫々、慎重に決められた綱領・規程などを定め、遵守し自ら規制している。例えば映画は1949年以来、「映倫管理委員会」を制定し今では年間約600本の劇場用映画を審査している。特に青少年に与える影響を考慮して4段階の分類表示を行っている。ラジオ・テレビ各社が加盟する日本民間放送連盟は放送倫理綱領と18章152項からなる「放送基準」を定め番組内容、CMなどをチェックしている。日本新聞協会は「新聞倫理綱領」で自由と責任、正確と公正、人権の尊重などの規範を定めている他、誘拐事件報道、集団的加熱取材、災害報道、選挙予測報道などの見解をあきらかにしている。75社加盟の日本雑誌協会は「雑誌編集倫理綱領」で人権と名誉の尊重、法 の尊重、品位など5項目を定めている。最近ではビデオ、DVD出版も性的・暴力・残虐表現から青少年を守る目的で規制をかけている。 br> |
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参考文献 ・櫛田磐、土橋美歩「新訂・視聴覚教育」学芸図書、平成14年 ・「情報通信白書」平成16年版、総務省 |
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