登録/更新年月日:2009(平成21)年9月9日 |
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障がい者に対する図書館サービスとは、図書館利用に障がいのある人々へのサービスであり、一般に「障がい者サービス」という。ここでいう「障がい」とは心身障がいだけではなく、図書館を利用するにあたり、何らかの要因で資料や図書館を利用できなかったり、利用しにくかったりすることを指している。 国際図書館連盟(International Federation of Library Associations and Institutions:IFLA)は、障がい者サービスに関連するセクションとして、「特別なニーズをもつ人々への図書館サービス分科会」(Library Services to People with Special Needs Section)と「印刷物を読むことに障がいのある人々のための図書館分科会」(Libraries Serving Persons with Print Disabilities Section)を設置している。障がい者サービスについて、大きくこの二つに分けて説明する。 1)特別なニーズをもつ人々への図書館サービス 特別なニーズをもつ人々とは、一般の図書館サービスを利用することが困難な人たちである。すなわち病院の入院患者や刑務所入所者、特別養護老人ホーム在住の高齢者、引きこもり、外国人、聴覚障がい者、身体障がい者、発達障がい者、内部障がい者、知的障がい者、精神障がい者などが挙げられる。 これらの利用者に対するサービスとしては、郵送貸出、宅配、施設貸出サービスなど、資料を届けることを目的とするサービスがある。施設面では、入り口のスロープ化、多目的トイレの設置、一目でわかるような案内表示、書架間隔を十分に確保するなど、車椅子での移動に対応した環境整備がある。 2)印刷物を読むことに障がいのある人々のための図書館サービス 印刷物を読むことに障がいのある人々には、視覚障がい者(完全失明、光覚弁、手動弁、指数弁、弱視)や学習障がい者(ディスレクシア)などが含まれる。 これらの利用者には、資料を利用者の使える形に変換して提供することが重要である。これには、対面朗読、点字・録音・文字の拡大本、布の絵本、触る絵本等の資料製作貸出、字幕・手話入りビデオの製作・貸出、DAISY資料(デジタル録音図書)の提供などのサービスがある。設備の面では、拡大読書機や音声パソコン、自動朗読機の設置などがある。また、点字や手話などのできる職員を採用し、きめ細かな図書館サービスを行っている図書館もある。 br> |
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参考文献 ・日本図書館協会障害者サービス委員会編『すべての人に図書館サービスを−障害者サービス入門』日本図書館協会、1994 ・日本図書館協会障害者サービス委員会編『障害者サービスの今をみる 2005年障害者サービス全国実態調査(一次)報告書』日本図書館協会、2006 ・日本図書館協会障害者サービス委員会編『障害者サービス 補訂版』日本図書館協会、2008(図書館員選書・12) |
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