登録/更新年月日:2013(平成25)年12月23日 |
|||||||||||||
|
|||||||||||||
|
|||||||||||||
滋賀県教育委員会生涯学習課は、平成14年度に完全学校週5日制度の開始を契機に立ち上げた「しが子どもの世紀3カ年プロジェクト」事業を拡充するために、平成19年度から専門的な知識や技能を持つ地域の人材・団体・企業等が学校を支援する仕組みをつくる「地域の力を学校へ」推進事業に取り組んでいる。 「地域の力を学校へ」推進事業の主な内容は、学校支援メニューの整備、学校支援ディレクターの配置、学校支援メニューフェアの開催、学校支援地域本部事業の推進、学校と地域を結ぶコーディネート担当者にかかる研修等である。事業の核が、学校支援メニューの登録・整備および学校現場での実践である。その「具体化」のために、生涯学習課内に「しが学校支援センター」を設置し、その中に学校支援ディレクターを1名配置して、学校と支援者による連携授業の成立のための取組みを推進している。学校支援ディレクターの主な活動内容は、1)情報収集、2)情報提供、3)学校支援メニューフェアの開催、4)学校と支援者のコーディネートである。学校支援メニューとは、地域の人材・団体・企業等が提供する専門的な技術力、人材を活かした学校での出前授業や工場見学受入、体験学習支援等の教育支援事業である。平成25(2013)年11月20日現在で、登録企業・団体数は157、登録メニュー数は245である。学校支援メニューの登録を希望する企業・団体は、しが学校支援センターに登録を申込み、しが学校支援センターが申込内容を厳正に審査し、学校支援メニューとしての登録の可否が決定される。登録可となった学校支援メニューは、しが学校支援センターが作成する学校支援メニュー一覧に掲載され、滋賀県学習情報提供システム「におねっと」で公開される。学校からしが学校支援センターに問い合わせがあるとしが学校支援センターが該当する支援者と学校とのコーディネートを行う。教育委員会が率先して企業と連携する姿を見せることで学校が企業と連携することを躊躇せず、学校と企業が互いに理解を深め、学校支援メニューの学校現場での活用推進のために行われているのが、学校支援メニューフェアである。学校支援メニューフェアは、学校支援メニューを登録している地域の人材・団体・企業等が会場にブースを設け、教職員と気軽に意見交換することにより、支援内容について相互理解を深めることを目的として開催されている。学校と地域を結ぶコーディネート担当者とは、市町立小・中・高等学校等で学校と地域をコーディネートする等の校務分掌に位置づけられた教員であるが、学校支援メニューフェアは、同担当者の研修の一環としても位置付けられている。 「地域の力を学校へ」推進事業は、事業参画者にそれぞれメリットが見られる。地域の人々や団体にとっては、生きがいや自己実現、地域活性化や地域づくりに結実している。企業にとっては、CSR活動の場となっている。学校にとっては、学校の教育力の向上、地域に開かれた学校づくりに寄与している。その結果、子どもたちの学びが深まり、子どもたちに思いやりや感謝の心が育まれ、子どもたちに地域や社会の一員としての自覚が生まれるきっかけとなって、未来を担う心豊かでたくましい子どもたちを育てるという社会全体の教育力の向上につながっており、地域・団体・企業、学校、社会それぞれに相互互恵関係が見られる「三方よし」の事業となっている。 br> |
|||||||||||||
|
|||||||||||||
参考文献 ・北島泰雄・上等根美「地域の力を学校へ〜「しが学校支援センター」の設置と学校支援ディレクターの取組〜」(出典:『国立教育政策研究所学校におけるキャリア教育に関する総合的研究』56頁-59頁、平成22年) ・安部耕作「企業・地域と学校の連携によるキャリア教育」『日本産業科学学会論叢第17号』日本産業科学学会、平成23(2011)年 ・安部耕作「人口減少時代における生涯学習・キャリア教育の展開−Win−Win関係の企業・団体の学校支援への着目−」『日本生涯教育学会論集34』日本生涯教育学会、平成25(2013)年 |
|||||||||||||
『生涯学習研究e事典』の使用にあたっては、必ず使用許諾条件をご参照ください。 |
|||||||||||||
Copyright(c)2005,日本生涯教育学会.Allrights reserved. |