登録/更新年月日:2009(平成21)年9月9日 |
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一国を代表する国立図書館は、国民の文化的財産・知的資源である国内出版物を網羅的に収集・保存し、利用に供することを第一義的役割とする。この役割を果たすために、第一に法定納本制度、第二に全国書誌や目録・索引の刊行という特色ある機能を持っている。 第一の機能の法定納本制度とは、国内で出版されたすべての出版物(地図、レコード、マイクロフィルム等を含む)を国立国会図書館に納入することを義務づけている制度である(国立国会図書館法第24条)。民間の出版物を納入した出版者にはその小売価格の5割程度に該当する金額が補償金として支払われる。他国の場合には無償納本が一般的である。このような有償納本は世界でも珍しい、日本の納本制度の大きな特徴である。 法定納本制度施行以前の出版物・古書・稿本の類を、購入や寄贈などを通して収集し、保存することも国立図書館としての重要な責務である。平成12(2000)年10月からは、パッケージ系の電子出版物も納本の対象となっている。平成14(2002)年3月には国立国会図書館法の一部が改正され、紙資料だけでなくネットワーク系の資料の収集も行っている。国立国会図書館は、地域の公共図書館では求めることのできない資料や大学図書館では入手できない文献を収集・提供しており、「図書館の図書館」としての機能を同時に果たしている。 第二の機能は、全国書誌、目録・索引を作成・提供する全国書誌センターとしての機能である。『日本全国書誌』は、納本制度などによって集められた国内出版物及び外国で出版された日本語出版物の書誌情報を収めた刊行物である。冊子体として週刊で刊行・頒布されていたが、2007年から電子データのみ作成されている。これをデータベース化した累積版の機械可読「JAPAN/MARC」を頒布しているほか、CD−ROM版の「J-BISC」も頒布されてきた。2009年からDVD版とWebサービスの組み合わせで提供されている。各種の目録・索引類(和・洋図書目録、日本法令索引、雑誌記事索引、逐次刊行物目録)も、データベース化してオンラインで提供している。 近年は、情報環境の変化に応じて、明治期刊行資料を提供する「近代デジタルライブラリー」、電子雑誌およびウェブサイトを収集する「インターネット情報選択的蓄積事業」、国内各機関が公開するデジタルアーカイブを統合検索するシステム「デジタルアーカイブポータル(PORTA)」などの電子図書館事業の開発が進められている。 br> |
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参考文献 ・NDL入門編集委員会編 『国立国会図書館入門』 三一書房、1998 ・国立国会図書館編 『国立国会図書館のしごと: 集める・のこす・創り出す』 日外アソシエーツ、1997 ・国立国会図書館五十年史編纂委員会編『国立国会図書館五十年史 本編』国立国会図書館、1999 |
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