生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2006(平成18)年11月2日
 
 

指定管理者制度 (していかんりしゃせいど)

designated manager's system
キーワード : 指定管理、民間事業者、管理委託制度、公の施設、地域再生推進プログラム
今西幸蔵(いまにしこうぞう)
2.指定管理者制度の導入と現況
 
 
 
 
  【導入に関わる判断基準】
 実際に施設の管理運営で、指定管理者制度を導入することの判断基準としては、以下の6点があげられる。
1)地方公共団体以外の者が管理運営を実施することにおいて法律などによる問題がなく、明確な制約がないこと。
2)当該施設が提供するサービスが民間事業者などでも可能であること。
3)提供するサービスの専門性や施設の規模において問題点がなく、効果が期待できること。
4)民間事業者が同様または類似の業務を展開しており、そのノウハウを活用して住民ニーズに見合ったサービスが向上すること。(例えば開館日や時間の拡大などがある)
5)施設の稼働率の向上、収益の増加や行財政コストの削減などが予測されること。
6)地域住民が指定管理者になることによって住民自治意識が高まり、地域振興につながること。
【指定管理者制度の現況】
 指定管理者制度の現況を数値として示すことが可能なものに、平成16(2004)年12月に公表された総務省の調査報告がある。その後の変化もあるが、制度の導入に関わる全体的な傾向は把握できる。
1)指定管理者制度導入の全国状況
 制度の導入は全国的に取り組まれている。特に政令指定都市がかなり早い段階から取り組んでいるようであり、市区町村は取り組みはやや遅れる傾向にある。
2)指定管理者数と性質
 前述の総務省調査によると、指定管理者となった団体は性質別に、株式会社、有限会社、財団法人、社団法人、公共団体、公共的団体、NPO団体、これら以外の団体の計8つに分類される。公共的団体、財団法人や株式会社などが多く、地域型の民間団体であるNPO団体が少ないことが目立っている。しかし小規模の地域に密着した施設の多くは公共的団体に委ねられているケースが多い。
3)制度導入施設の内容別状況    
 社会教育施設のような文教施設について指定管理者を性質別に分類すると、株式会社約8%、有限会社約1%、財団法人約13%、社団法人約2%、公共的団体約71%、NPO団体約4%、これら以外の団体約1%となっている。民間機関や住民活動団体の比率が低い。
4)制度導入施設の指定期間別状況    
 指定管理期間の多くは3年、次いで1年、5年となっている。5年以下に集中しているようであるが、全国的には10年以上という施設もある。
 
 
 
  参考文献
・「公の施設の指定管理者制度の導入状況に関する調査結果」(総務省自治行政局行政課、2004年12月)
 
 
 
 
 



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