登録/更新年月日:2006(平成18)年1月27日 |
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女性が自らの意思によって社会のあらゆる分野における活動に参画するためには、社会参画能力を身につける必要があり、生涯学習の文脈では、特に地域における女性リーダーの育成事業として取り組まれてきた。この女性リーダー育成に関連して、新たな課題であり、かつ緊急に取り組む必要があると考えられるのが、市民活動・NPO領域における女性のエンパワーメント(力をつけること)である。 従来、地域における社会的活動の多くは、無報酬のシャドーワークとして主として女性が担い、「男は仕事、女は家庭も仕事も地域も」という新性別役割分業規範の定着と指摘されてきた。しかし、阪神・淡路大震災でのNPOの活躍と社会的評価、および平成10(1998)年の特定非営利活動促進法(NPO法)の制定を契機に、市民活動はボランティアによる無報酬のシャドーワークであるというこれまでの大方のとらえ方は転換し、有給の専門家やスタッフを有する社会的な組織活動、あるいは事業でもあると認識されるようになってきた。このような転換により、「小地域のボランティア組織の場合、女性がリーダーシップ(意思決定過程への参画)をもつが、NPOとして経済的にも自立していける組織となると、その主導権が男性に移行している傾向がある」という指摘もある。 これまでも地域における社会的活動のなかで、「男は頭、女は手足」という性別役割分業が指摘されてきたが、今後はアンペイド・ワークであるボランティア活動やその組織は女性が主として担う領域、それに対し活動に関わる人も組織も経済的に自立していけるNPOは男性が主として担う領域、という新たな棲み分けが加わる危惧も否めない。市民活動とその活動を支え、活性化するNPOは、これからの市民社会づくりに不可欠な存在となってきている。 そのような市民活動・NPO領域が男女共同参画の場であるためには、早急にこの領域における女性リーダーの育成に取り組む必要がある。 br> |
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参考文献 ・ 国立女性教育会館『男女共同参画、向老期をともに生き、ともに学ぶ−豊かな高齢社会に向けて』、財務省印刷局、2002年 ・ 葛原生子「NPO領域における女性リーダー育成プログラム開発に向けての予備的研究」『高齢社会に向けての男女共同参画社会に関する調査研究報告書』国立女性教育会館、2001年 |
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