生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2011(平成23)年1月1日
 
 

静岡市立峰山小学校における郷土学習 (しずおかしりつみねやましょうがっこうにおけるきょうどがくしゅう)

キーワード : 中山間地の小学校
新田時也(にったときや)
2.リポート:静岡市立峰山小学校が行った地域学習
 
 
 
 
   この小学校では,前節でも述べたように,子どもたちに「ふるさと」を忘れず,地域との「絆」を大切にしてもらいたいという,学校側の期待と願いを教育目標にして,平成20(2008)年7月18日に,旧宿場町である「蒲原」を,全校児童3名が,海野 茂学校長(図2,左端)以下,スタッフ数名とともに訪れた。蒲原は,歌川広重画の「蒲原雪之夜」で名高い旧宿場町である。一行は,前日から,蒲原以外の東海道の別の場所を訪れて,一泊しており,18日の当日は,朝早くから,この蒲原の旧宿を訪れた。 著者も,この蒲原への訪問から,一行に同行した。
 さて,一行は,蒲原の中でも,江戸時代の醤油蔵が現存する「志田邸」の中で,江戸時代の東海道の様子を学んだ。この「志田邸」であるが,「国登録有形文化財であり,「志田邸」のパンフレットによれば,「屋号を,山六」という「醤油・味噌醸造元の商家」,「安政元年の大地震の翌年(安政2年 1855年)に建て直された,蒲原町最古に属する町屋」である。そのつくりは,「外観は切妻造平入瓦ぶき」であり,大店の作りを今に伝える貴重な文化財である。邸奥には,「石造(一間半×2間)漆喰蔵(2間×6間)味噌,醤油の製造所(4間×6間)」 」が遺されている。また,この「志田邸」には,「東海道町民生活歴史館」が併設されている。この歴史館には,「蒲原での生活の衣食住・教育等の変遷を今に伝える貴重な文化財が展示されており,「食」としての膳,とくに,漆で塗り作られた「蒲原古代塗」が展示 」されており,「「多くの人が心身ともに健康で充実した生活をおくるための福祉的生涯学習事業を行い,この事業を通じて近世町民生活史を活用した街づくりに寄与する」ことを趣旨 」に,「NPO 生涯学習・健康福祉推進センター」(理事長:小木曽幸男氏,設立:平成18(2006)年8月28日,認証:平成18(2006)年11月24日)が,管理・運営をしている。
 静岡市立峰山小学校の児童たちは,この「志田邸」,および,「東海道町民生活歴史館」で,江戸時代に使われていた「食器」,「農具」,「度量衡の道具(計り,竿,など)」,また,江戸時代の「本」,「大福帳」,「浮世絵」,などを,実際に,「目で見て」,当時の生活の様子を「体感」していた。また,施設を管理・運営している方から,当時の様子の説明を受けることで,「蒲原」という旧宿場町の「歴史」,「生活文化」を,一人ひとりが受け止めることができたように,著者には感じられた。図4から図8は,静岡市立峰山小学校の児童たちが,蒲原を訪れて,学習をしている様子を,著者が撮影したものである。 添付資料:図4から8
 
 
 
  参考文献
 
 
 
 
 



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