生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2013(平成25)年12月23日
 
 

秋田県立図書館の公民館図書館支援 (あきたけんりつとしょかんのこうみんかんとしょしつしえん)

public hall bookroom support by Akita Prefectural Library
キーワード : 公民館図書室、図書館、支援、活性化、秋田県
山崎博樹(やまざきひろき)
3.事例
  
 
 
 
   秋田県大潟村は、公民館図書室が図書館的なサービスを行ってきたが、書架は公民館の2階の研修室内の一部と1階入り口付近にある児童図書の書架に分かれており、多くの村民はその存在を認知していなかった。このような状況の中で公民館図書室職員と協同で施設の改善に取り組んだ。1階の児童図書室と2階図書室を統合するため、児童図書室と干拓写真・干拓模型を地域資料と共存させ、相互に利用を図った。廃業する書店から書架の寄贈を受けたため安価に移設できた。また、簡単な設計図面を提示し、作業時にもサポートを行った。これらの作業により公民館に訪れる多くの利用者に図書が自然と利用されるようになり、図書館の貸し出しは倍増し、干拓写真等も活用されている。
 八峰町公民館は独立した公民館図書室が設置されていたが住民一人当たりの貸出冊数は、0.1冊という状況にあった。始めに、古い図書の廃棄やテーマ展示を行った。次に、2階にある図書室に加えて、1階部分に新たにメインとなる図書室を増設し、さらに町南部にある公民館に図書室を新設した。新設の図書室との役割分担、家具業者と町職員の協議への助言、図書室だよりの全戸配布、ロビーでのテーマ展示等を実施した。公民館図書室の利用は3年間で9倍となり、公民館全体の活性化にも繋がった。
 にかほ市には、1つの公立図書館と2つの公民館図書室が設置され、象潟公民館は専任職員が配置されていたが、図書室は狭く、他地域の図書館や図書室と格差があった。既存の建物を改築し、面積は倍増し、書架等も新規に購入と大規模なリニューアルとなった。公民館長や担当職員との協議を緊密に行いながら、図書室の設計や図書館家具の選定に対して助言を行い、図書室の資料等ソフト面のサポートも行った。
 五城目町では、公立図書館が存在せず、図書室は公民館2階の奥に設置され、図書室の存在は町民に十分に知られていない状況にあった。担当者との協議し、既存の図書室を改善するワークショップを地域ボランティアと共に行い、環境の改善を図ると共にボランティアの育成を図り、公民館図書室の利用に結び付けた。書架の購入し、書架移動も行った。図書室担当者が、経験と学習を重ね、自らアイデアを出して他の職員の協力を得ながら次々と図書室の改善を図り、利用の増加を促進している。
 三種町では橋本五郎氏(テレビニュースキャスター)から2万冊の図書寄贈を受け、その活用を図るため廃校の小学校を活用し、図書室とした。実施主体は住民団体が組織され、町からの光熱水費等の補助金により施設の準備を行った。支援要請を受け、設置計画、運営、図書整備、図書排架を支援した。学校の食堂部分を使い閲覧室を設置、同時に他の教室を活用した地域資料コーナーや廃校となる学校に関係する写真提供コーナーを設置した。住民ボランティアの図書整備やデータ登録研修を開催したが、研修や登録作業には多くの住民が参加し、2万冊の図書が数ヶ月でデータ化された。これらは県内専門学校で作成した無料の図書館システムで提供した。施設では様々なイベントが開催され、体育館やグラウンド等の施設と図書室は複合的に利用されている。
 
 
 
  参考文献
 
 
 
 
  



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