生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2012(平成24)年3月15日
 
 

白山市の生活リズム向上プロジェクト (はくさんしのせいかつりずむこうじょうぷろじぇくと)

キーワード : 生活リズム
東雅宏(ひがしまさひろ)
3.子どもの周囲の変化と取り組み後の支え
  
 
 
 
   取り組み後に保護者が記入した自由記述からは、「楽しく取り組むことができた」という感想に加えて、「子どもが意識して多く食べるようになった」「子どもが進んで早く寝るようになった」「子どもが自分で起きるようになった」といった子どもの主体性を感じ取ることができる感想や、「早く寝ることができると早く起きることができるのだとわかった」「子どもが朝食を楽しみにしていることがわかった」といった子どもの様子を改めて認識できたとする感想も多く見られた。また、朝食の品数や内容について子どもから注文を受けたという感想があり、「食事のバランスでかけている部分がわかった」「できる限り家族で食事をとるようになった」という感想も出てきている。
 さらに、「子どもだけではなく自分たち家族の生活を見直す必要がある」と気づいた感想も見られ、子どもの生活のみならず家族が生活改善に取り組もうとする姿勢もうかがえた。子どもの生活リズムを乱している一因として、大人の生活リズムの乱れがあることをこの実践から何人もの保護者が認識するようになっており、今回の取り組みは、子ども自身の生活リズムへの理解だけに留まらず、保護者の生活改善をもたらしていることも成果として挙げられる。
 取り組み後には、「生活リズムモンスター攻略ブック」の取り組み結果をもとに、一人ひとりの記録から日常生活の傾向を推測し、その子どもにあった生活リズム改善のポイントを、「ひとくちアドバイス」として記入したカードにして個別に配付している。また、「朝食作りが大変だった」との保護者からの感想に呼応して、取り組み後の生活に役立ててもらえるように、簡単に作れる「朝食レシピ集」を作成し、保護者向けに配付している。
 さらに、子どもたちがオリジナルキャラクターに親しみを持つことができるように、モンスターの着ぐるみを製作し、未就学児を主な対象とした寸劇による市内巡回を行うことで、より高い効果を期待しているところである。
子ども自身が気づくことによる、さらには、その周囲の人が気づくことによる取り組みの効果は、外部からの一方向による推進だけでは得られないものであり、今後の取り組みにも生かすことができるものであると考える。
 
 
 
  参考文献
 
 
 
 
  



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