登録/更新年月日:2008(平成20)年1月2日 |
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近年、発刊される雑誌の記事やテレビ番組の中でグルメに関する報道が特に目につくようになった。まさに日本列島、食の文化が百花繚乱のごとく華やかな時代を迎えた。 これまで日本は外国のものをどんどん吸収して、私たちの生活の中に取り入れてきた。例えば、日本古来の床の間や障子をあしらった和風様式の部屋と、ソファーや椅子などをセットにした洋間を上手に組み合わせて暮らしている。先人は、そういうものを実にうまく調和させて、和洋折衷の知恵を生活の中に残してくれている。 このことは、料理についても言えよう。日常生活の中では日本料理ばかりというのではなく、西洋料理、中華料理などをうまく取り入れて日本人の口に合った料理にして食卓を豊かなものにしてきた。日本人は本当に素晴らしい創造性と感性をもっている民族だと思う。このように家庭に居ながらにして世界の料理が味わえる国は日本のほかにどこにもないと思う。「新しいご馳走の発見は、人生の幸福にとって天体の発見以上のものである。」これはフランスの食通ブリアーサヴァランが不朽の名著「美味礼讃」の中で述べた有名な言葉である。とすれば、日本における伝統的な食文化は私たちの先人が残してくれた素晴らしい財産である。 ところで、私たちの住む日本は経済的にも高度な発展を遂げ、人々は人生を楽しむ時代になった。学校も完全週五日制が定着し、子どもたちも自由に使える時間が増えた。これはまたとないチャンスである。また、私たち人間は、生きるために一日も食べ物を欠かすことはできない。それだけに食べることは人間にとって最高の楽しみであり、喜びでもある。この喜びを家族で共有する方策はないだろうか。 例えば、あなたのご家庭の週末や休日に家族総出で厨房に入る。家族みんなで料理の献立づくりを相談して役割分担を決める。そして僕は野菜の皮むき、私は下ごしらえと食器運び、お父さんは包丁研ぎ、お母さんは名シェフぶりを発揮して総監督、そして、豊かな自然の恵み、野菜、魚、肉など食材の取り合わせをあれこれ楽しんでみる。食卓に季節のもの「旬の味」を取り入れて美しい日本の季節感を存分味わってみる。食器やテーブルのセッティングは思い切って嗜好を凝らしてみる。あるいは、それぞれ当番の日を設定し、各自のメニューでその腕を競うなどをすれば、きっと、お子さんは物づくりの楽しさや創造の喜びを感じるにちがいない。また、あなたの家庭に楽しい雰囲気の団らんが生まれると思う。そこには、いつも親と子の笑顔があり、対話があり、あたたかい心のふれあいがあり、いつの間にか子どもの心の中に思いやりの心、物を大切にする心が芽生えていくことでしょう。そして、食は人生における最上の喜びであり、これをぜひ、次の世代の子どもたちに伝えたいものだ。 先般、農林水産省が全国の郷土料理の中から「農山漁村の郷土料理百選」を発表した。その中から、私が今住んでいる山梨県の郷土料理「ほうとう手打ちうどん」のレシピを紹介してみよう。 br> |
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参考文献 |
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