登録/更新年月日:2009(平成21)年8月27日 |
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図書館の経営資源における「モノ」には、設備や蔵書などが挙げられる。設備には、貸出カウンター、書架、閲覧用机、OPAC用端末などがある。これらの設備は、利用者の動線を把握し、適切な案内表示を掲示することで、利用者に使いやすい配置とする必要がある。蔵書は、自館の目的や利用者の要求に沿うよう選書を行い、相互貸借や図書館コンソーシアムによる共同購入など、図書館間の相互協力を有効に活用することで構築する必要がある。 図書館経営は、利用者に設備や蔵書といった「モノ」を提供するばかりでなく「サービス」を提供するという側面も持つ。例えば、レファレンスサービスは、資料というモノを使用して利用者に情報を提供する活動と捉えることができる。レファレンスサービスの希望者が多いと待ち時間が発生し、一人の利用者に充てられるサービスのための時間も短くなるため、レファレンスサービスへの評価の低下につながる。図書館サービスでは、このリスクをいかに低減するかが課題のひとつとなっている。 図書館サービスを円滑に進め、利用者の満足度を高めるには、図書館員という「ヒト」がサービスを構成する重要な要素となる。図書館法では、第13条1項において、図書館の職員を館長、専門的職員、事務的職員などに区分している。そして、同法第4条1項では、図書館に置かれる専門的職員を司書・司書補と称すると定めている。近年の公共図書館の司書数をみると、専任の司書・司書補は減少し、非常勤司書は増加している。専任のみならず、多様な雇用形態の専門的職員によって運営されている図書館の現状を踏まえ、充実した図書館サービスを提供し得る司書・司書補の配置が課題となる。そのためには、職場内外での研修や自己啓発といった教育訓練を実施することで、現職者教育を継続的に行うことが重要となる。 『公立図書館の任務と目標』では、すべての図書館職員に研修を受ける機会が必要であること、とくに専門的職員が基礎的教養と専門的技量を高めるために努力する必要が説かれている。また、2008年に改正された図書館法でも、第7条において都道府県などの教育委員会が、司書・司書補に対して資質向上のために必要な研修を行う努力規定が定められた。現在、現職者の研修は、国、都道府県、市町村、図書館関係団体などで実施されているが、今日的な課題を取り入れた計画的、体系的な実施が望まれる。 br> |
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参考文献 |
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