生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2015(平成27)年12月11日
 
 

高校生の発達と規範意識・自尊感情の関連 (こうこうせいのはったつときはんいしき・じそんかんじょうのかんれん)

キーワード : 高校生、規範意識、自尊感情
林幸克(はやしゆきよし)
3.高校生の自尊感情
  
 
 
 
  1)今の自分の気持ち
 男女比較で有意差のあった項目をみると、男子の得点が高かった内容は、「私は今の自分に満足している」(男子2.60点、女子2.35点)、「私は自分のことが好きである」(男子2.42点、女子2.26点)、「私は自分の判断や行動を信じることができる」(男子2.82点、女子2.64点)、「私は自分という存在を大切に思える」(男子2.93点、女子2.77点)、「私には良いところがある」(男子2.90点、女子2.78点)であった。
 女子の得点が高かった内容は、「私は人のために力を尽くしたい」(男子2.94点、女子3.02点)、「私には自分のことを理解してくれる人がいる」(男子3.02点、女子3.29点)、「私は今の自分が嫌いだ(逆転項目)」(男子2.39点、女子2.67点)、「自分のことを見守ってくれている周りの人々に感謝している」(男子3.32点、女子3.51点)、「私には自分のことを必要としてくれる人がいる」(男子2.76点、女子2.93点)であった。
 学年比較で有意差が認められたのは、「私は自分のことは自分で決めたいと思う」(1年生3.21点、2年生3.27点、3年生3.41点)で、3年生の得点が1年生の得点よりも高かった。
 また、「人と違っていても自分が正しいと思うことは主張できる」(1年生2.76点、2年生2.80点、3年生2.81点)、「私はほかの人の気持ちになることができる」(1年生2.78点、2年生2.89点、3年生2.91点)、「人に迷惑がかからないよう、いったん決めたことには責任を持って取り組む」(1年生2.95点、2年生3.03点、3年生3.10点)、「私は誰の役にも立っていないと思う(逆転項目)」(1年生2.30点、2年生2.34点、3年生2.36点)の4項目は、有意差はないものの、学年進行に伴って得点が増加していた。他方、「自分はダメな人間だと思うことがある(逆転項目)」(1年生2.94点、2年生2.83点、3年生2.79点)は学年進行に伴って得点が低下していた。
 これらの結果から、男女別の特徴として、男子は等身大の自分と向き合って、その自分を肯定的に受け止め、認めていることが挙げられる。女子は、他者との関わりの中で、自分の必要性・存在意義を実感し、それを通して自分を認めていることが指摘できる。学年別の特徴では、1年生より3年生の方が、自己決定意識が高いこと、自己主張や他者理解、責任感は、学年進行に伴って高まっていることが明示された。
2)今後の課題
 本稿で提示したデータは岐阜県の高校生に限定しているため、具体的な考察が可能であるというメリットがある一方で、一般化が困難であるというデメリットがある。その意味で、全国調査への発展を視野に入れることが求められる。
 また、学校タイプ(普通科・専門学科・総合学科、全日制・定時制・通信制など)による差異の検証も必要である。それぞれのタイプの独自性を明確にすることで、規範意識・自尊感情を醸成するための施策の方向性が明らかになる。
 
 
 
  参考文献
 
 
 
 
  



『生涯学習研究e事典』の使用にあたっては、必ず使用許諾条件をご参照ください。
<トップページへ戻る
 
       
Copyright(c)2005,日本生涯教育学会.Allrights reserved.