登録/更新年月日:2009(平成21)年7月27日 |
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カルチャーセンターは、1年間を春期(4月〜6月)、夏期(7月〜9月)、秋期(10月〜12月)、新春期(1月〜3月)に分け3ヶ月をひとつの区切りとしている場合が多く、講座は基本的に3ヵ月または6ヶ月ごとの更新制となっている。 【(1)問題点の整理】 カルチャーセンターの場合、何よりも立地条件に起因する問題点が大きい。さまざまな立地条件に起因する問題を整理し明らかにすることで、どのような講座が、いつ、どのような人たちにニーズとして潜在化されているのかをまずは整理すべきである。 【(2)学習者ニーズの把握】 関東地区において総受講生数7万人を越えるYカルチャーセンターの男女比は男性16%、女性84%(平成15(2003)年1月時点)と、女性がその圧倒的な比率を占めている。世代や性別などが異なるだけでその学習ニーズは大きく異なるため、受講者アンケートや口コミなどを活用して積極的に学習者のニーズを把握する必要がある。 【(3)講師の募集とその種類】 事前に登録だけを済ませている登録制、他センターの講師を紹介してもらう紹介制、自ら講師を希望する自薦制、同業他社の講師を見つけ出す方法などが考えられる。 【(4)講座の種類とその類型】 受動的な講座スタイルで知識修得型ともいえる講義型と、受講生自らが積極的に講座に参加するという能動的な講座スタイルで実践的体験型ともいえる参加型とがある。 【(5)集客および募集方法】 受講生の集客・募集は3ヶ月ごとに行われる。新聞社のグループ企業である場合、A新聞の折り込み広告としてAカルチャーセンターのチラシを入れることが頻繁に行われており、その継続性と頻度が重要である。 【(6)開講】 一般的に新設講座の場合には、初回を一日体験日と設定しその内容や今後の講座内容を理解してもらうことが多い。語学においては、時間を制限した無料の見学ではなく、一日体験として一回分の受講料を支払い実際に授業に参加してもらう方がより効果的である場合もある。 【(7)講座運営の見直し】 長期間にわたり同一内容の受講をすると、茶道や華道、書道においては、免状をもらうことである一定のレベルに達したという日頃の学習成果が評価されることとなる。しかし中途入会をすると、他の受講生との差を感じることも少なくない。そのため、定期的なリニューアルを行うことで、新規会員にも配慮する必要がある。 上記、(1)から(4)が情報収集や新設・リニューアルなどの講座の検討(PLAN)であり、(5)(6)が講座の開講(DO)、(7)が開講後の講座運営の見直し(SEE)という一連の行動を示し、これらの3ステップが極めて重要であり、必要に応じて随時見直す必要がある。またこのほかにも必要経費を考えなければならない。 経済産業省の資料をもとに船井総研が作成した損益構造によると、一般的なカルチャーセンターの場合、その講師謝礼は35%〜40%が多いが、これを最低でも20%程度に抑えることで十分な利益は追求できると指摘している。しかし、利益を追求することだけに傾倒してしまうと、講師のモチベーションは低下し、受講生の満足感、達成感、充実感などは得られず、その結果として受講生離れにつながってしまう可能性がある。講師料と営業広告費、さらには地代・家賃の予算化が民間のカルチャーセンター経営には重要な課題である。 br> |
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参考文献 ・井手聡・犬塚義人著『はじめよう!カルチャー教室』、同文館出版、平成16(2004)年 ・蛭田道春編著『生涯学習支援の計画づくり』日常出版、平成17(2005)年 |
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