生涯学習研究e事典
 
登録/更新年月日:2011(平成23)年11月7日
 
 

社会人の学びの場としての「ホイスコーレ札幌」 (しゃかいじんのまなびのばとしての「ほいすこーれさっぽろ」)

Hojskole Sapporo as a school for adult
キーワード : 「ホイスコーレ札幌」、生涯教育、社会人学校、デンマーク、ホイスコーレ
生越玲子(おごしれいこ)
3.「ホイスコーレ札幌」の問題点
  
 
 
 
   これまでに浮かび上がってきた「ホイスコーレ札幌」の問題点を検討してみる。
○男性の受講生について。受講生のほとんどが女性であり男性の受講者が少ない。「ホイスコーレ札幌」の今後の問題点の一つである。男性は第6期までの延べ受講者の数%に過ぎない。今後男性受講者の増加が望まれる。
○受講生の募集について。「ホイスコーレ札幌」開講に当たり毎回募集方法を検討している。新聞の小さな募集広告は反応がなかった。やはり受講生の口コミが効果がある。
○講師の確保について。受講生が求める講義を得るため講師のリクルート活動は重要である。大学の教師は忙しいため、社会人が学ぶことの理解が薄いと感じている。研究を継続している定年研究者は少ないため、古い講義では受講生は満足しない。
○運営経費について。どこからも助成がないため受講生からの徴収で賄っている。講師の講義料、学生のアルバイト料、活動費は受講生の徴収費でまかなうためボランティア活動である。地方の講師を招くのは旅費が必要で財政が困窮する。しかし魅力のある講師の場合は招いている。札幌は大都市のためリクルート活動は交通費を要する。
○講義科目について。魅力あるプログラムであることは重要であるが半年前から、プログラム作成するため今問題を提起したい内容を講義に組むことができない。
○講義室について。音楽、体育の実技は重要な学びの一つであるが大学の教室を借用のため、その都度大学の許可を取り付ける煩雑さがある。したがって、外部の施設を借りるなどしている。
○受講生の連絡方法はメールアドレスを持たない中高年が大半であり、「ホイスコーレ札幌」を開講していない期間中の連絡方法は各自に電話、FAXあるいは、葉書での通達方法しかない事で細やかな対処ができない。個人情報保護のため受講生のすべてを「ホイスコーレ札幌」の中で公開することも難しいため、連絡網の利用ができない。
 「ホイスコーレ札幌」は多くの人の支援、協力がなければ継続できないことであり、多くの理解者に感謝している。
 第7期「ホイスコーレ札幌」までの継続によって理解したことは、「ホイスコーレ札幌」を辞めてもまた参加する受講者がいることから、知的好学心を満たすことは生きる力になり、また人とのつながりができることである。今後も人の相互理解の中で自分を見つめなおす場として「ホイスコーレ札幌」の継続をめざしている。 

 
 
 
  参考文献
 
 
 
 
  



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