登録/更新年月日:2006(平成18)年1月27日 |
|||||||||||||
|
|||||||||||||
|
|||||||||||||
パートナーシップとは、関係者または関係機関が連携・協力し、これによって創出される相乗効果を通して単独では実現困難な事業目的を効果的に達成する仕組みまたは連合体のことであり、その各参加者や参加機関はパートナーと呼ばれる。すなわち、それは関係パートナーの共同事業の管理・運営の連合体のことで、その目的や使命や参加するパートナー間の協力や連帯において、各パートナーはそれぞれのアイデンティティを保持し、相互に対等な権限関係にあることを前提としている。これがパートナーシップという新しい枠組における共同や協力の特徴であり、従来の関係と区別して一般に「コラボレーション」と呼ばれ、その訳語として「協働」というコトバが当てられている。 共同や協力はパートナー間以外でも可能であるが、ここでいう意味での「協働」はパートナーシップの枠組なしには実施されないので、往々にしてパートナーシップとコラボレーションは相互交換的に使用される。しかし概念上、前者は新しい施策の枠組概念であり、後者はその枠組における活動ないし事業概念であって、一方は全体を指し、他方は部分を指すものとして厳密には区別され、特に後者に力点をおくさいには「コラボラティブ・パートナーシップ」という用語が使用されている。 国の内外における関係文献を概観した印象では、それら2つのコトバは,共同、協力、連携、提携、協調、補完、連合、共用、共有、ネットワークやクラスター及びコンソーシアムなどと重ね合わせて使用されることが多いように思える。これらの中のほとんどは主題に関する説明を補足したり、強調点を明示するために使われているだけなので本来の概念の誤解を招く恐れはないが、ネットワークやクラスター及びコンソーシアムの用語は政策概念上の混乱を避けるためにパートナーシップの用語とは区別しておく必要がある。というのは、ネットワークは、学習都市ネットワークのように、考え方や経験を共有する同じようなタイプの緩やかな組織を指し、クラスターは知的クラスター創成事業のように、一定地域の同じ目的を持つ関連機関の「集積」を特徴とし、またコンソーシアムは異業種や異なる組織間の横断的な共同事業体を意味しており、これらとパートナーシップはプロジェクトを異にするからである。 br> |
|||||||||||||
|
|||||||||||||
参考文献 ・Naomi E. Sargant, Effective Local and Regional Partnerships for Ligelong Learning (Working Paper ),NAGCEL, 1998. ・Sandra Kerka, Developing Collaborative Partnerships: Practice Application Brief no.N/A, 1997. ・今西幸蔵「新たな公共を形成する『協働』概念に関する考察」日本生涯教育学会年報第24号、2003. |
|||||||||||||
『生涯学習研究e事典』の使用にあたっては、必ず使用許諾条件をご参照ください。 |
|||||||||||||
Copyright(c)2005,日本生涯教育学会.Allrights reserved. |