登録/更新年月日:2009(平成21)年7月27日 |
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学校教育では、1箇所に集まり、ある程度の強制力を保ちつつ学科科目の学習活動が行われる。しかし、生涯学習活動において、学習者の学習場所は限定されないばかりか、その強制力もきわめてないに等しいため、学習者自身の学習に対するモチベーションこそが、その学習活動の継続に大きく関係する。 そして、学習場所を制限しないのも大きな特徴である。逆に、常に学習活動を行える状況下であるために、学習者自身の動機や目的、周りの環境や状況によって、その学習活動が大きく左右される。 生涯学習活動においては、(学習内容によっても異なるが)学校教育のような集合学習の形態よりも、個人学習の形態で行われることが多い。そのため、学習者同士の交流が少ないために、学習活動を行っている際に表出される疑問や問題点をその場で解決することは、その後の学習活動に大きな影響を与えるだけではなく、学習効果も高いものとなる。 しかし、実際には、疑問や問題点を確認し、クリアにするためには、時間がかかる。そこで、生涯学習においては、学習活動を行う場だけではなく、学習活動以外の場を提供することが求められている。具体的には、カルチャーセンター内における喫茶コーナーなサロンなどの学習者同士の団欒が可能な場所であったり、通学型の英会話スクールでは受講生同士が気軽に集えるスペースの確保である。 特に、eラーニングを活用した生涯学習においては、学習活動の形態はほとんどが個人学習となる。そこで、eラーニングを活用した英会話スクールの場合、学習活動を行う通常のレッスンとは別に、受講生同士で気軽に話ができるチャットルームや受講生同士の疑問や問題点を解決するための掲示板が広く活用されている。 チャットルームの目的は、学習者同士の交流というのが一般的な見解であるが、現実的には、学習者同士での交流が盛んになることで、オンラインヘルプの機能を持たせることにもある。 人的要因による顧客満足度を高めると、必然的にその人員を確保する必要があるため、学習者が支払う料金に上乗せされる。このような悪循環を回避するためにも、学習者に対して学習活動以外の場を提供することもeラーニングを活用した学習においては重要であるといえる。 個人学習の形態となりがちな生涯学習活動においては、学習者のモチベーションを維持することが、学習コンテンツ提供側にも求められており、今後はeラーニングを活用した生涯学習活動に限らず、その必要性は問われてくると思われる。 わが国における学習活動は、書簡の往復や教師と対面で行う反復練習などの形態などで学習活動が行われてきた。それは、個人での学習形態であっても、指導者は対面でなくとも確実に存在し、また、同じ学習活動を行う立場の学習者同士の集いも、そこには含まれていた。しかし、eラーニングを活用した(学校教育、生涯学習を問わず)学習活動においては、教師と学習者が対面する形態は徐々に減少傾向にある。 インターネットを利用したウェブカメラや、音声通話による学習活動においては、学習活動以外の人的交流が大きな課題でもある。学習活動を補完するためにも、学習者同士が利用上の相談を容易にできるようなシステムの構築が必要であろう。 br> |
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参考文献 |
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